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5.別にいいけどさ・・・(楓視点)
私の日常はあまり変わらない。
というかほぼ変わらない。
私には友達がいない。
というか、作れなかった。
隣にはいつも疾風や拓郎が居るせいで誰も話しかけてこなかった。
いつも隣に居るせいで”楓の番犬”なんて言われたり・・・。
もともと愛想の良い方ではないけれど・・・。
友達一人くらいはほしいな・・・。
それでもそれはほんの小さな願いでしかなくて実は結構気に入っている。
気を許せる友人が二人も居て、好きなことにも没頭出来て。
中学校に上がった入学式の日も誰も話しかけてこなかった。
というか、隣に疾風が居て後ろに拓郎がいたからか・・・。
もう慣れたのであまり気にはしてないが・・・。
なので、今日は実は驚いた。
私と連絡を取りたいという人がいるなんて。
珍しい事過ぎて一瞬手が止まったけどあんまりなんか言ってもよくないと思って平然を装った。
相手がだれかなんて本当にどうでも良かった。
私に興味をもってくれているだけで嬉しかった。
とはいえ、誰なんだろうと少しだけ思うような・・・。