3.連絡先教えて
俺は不良っぽいグループに居るが、俺は不良ではない。
・・・と思う。
自身はないが、多分不良ではない。
その証拠に俺は学校はサボらない。
朝遅刻もしない。
ただ顔が強面のようで人は近づいてこないけど。
俺はいつもの通学路を歩いていた。
「!?!?!?!?」
ふと目の前に視線をやると入学式のあの子が居た。
まじか!気が付かなかったぜ・・・。
ん?あれ?
俺は目をこすった。
あの子の両隣には男が居た。
一人はごっつい体格の男で、もうひとりは・・・
「拓郎・・・!?!?」
えーなんであいつあの子といるんだ?
と一人でプチパニックになりながら学校に向かった。
拓郎は俺に気がつくことなく1年の下駄箱まで向かっていった。
後で聞いちゃおう・・・。
ため息をついてから俺は下駄箱に向かった。
昼休み
「あー今日もだりいなー。」
「サボってゲーセンでもいきてーわー」
なんていつものメンバーで話していたら、拓郎がやってきた。
「お疲れさまっす・・・。」
どこか元気のないというか気だるそうというか、その雰囲気は不健康そうなのに目が離せないという変な奴だった。
「あ、拓郎聞きたいことがある・・・。」
「なんですか剛毅さん。」
「今日の朝お前が一緒に登校してたのって・・・。」
「疾風のことですか?あいつなら幼馴染っすよ。体はでかいけど悪いやつじゃないっす。」
「い、いや、そっちじゃなくて・・・。」
「ああ、楓のことですか?」
「楓っていうんだ。」
「はい・・・。」
「拓郎。今日の放課後付き合え。」
「いいすけど・・・。」
おれはその後ソワソワしながら放課後を待った。
そして放課後。
「すいません、おまたせしました・・・。」
「おう。」
そう言いながら気だるそうに拓郎は登場した。
ちなみにこの気だるそうな感じは昔から変わらない。
「あの、さ。昼言ってたやつなんだけど。」
「楓のことっすよね?楓も幼馴染なんすよ。」
「お前幼馴染居たんだな。知らなかったよ。」
「黙ってるつもりじゃなかったんすけど・・・聞かれてなかったんで。すいません。」
「あやまんなよ。あんなごつい男も初めてみたわ。」
「まあ、小学校剛毅さんと違かったんでしらないものしょうがないっす。」
「だな。」
「で、楓のなにが知りたいんすか?」
「ふ、ふるねーむ?」
「・・・。」
拓郎がジトッとした目でこちらを見てきた。
「名前知りたかっただけだよ!その・・・可愛かったから。」
「・・・西川・・・楓です。」
「にしかわ・・・か。いい名前だな。」
「西川なんてどこにでも居るじゃないですか?」
「あのさ、変なこと聞くけど拓郎は西川さんと付き合ってたりすんのか?」
「・・・俺とは、付き合ってないですよ。」
「俺とはってことはごつ男と付き合ってんのか!?!?」
「・・・言い方変でしたね。疾風とも付き合ってませんよ。」
「・・・好き・・でもないのか?」
「異性としては好きじゃないです。」
「よかったああああああ・・・。」
「・・・俺は・・・。(ボソ)」
「ん?なんか言ったか?」
「いえ、言ってないです。」
「俺、西川さんが好きかもしれない。というか好きだ。」
「いきなりなんすか・・・。」
「入学式の、新入生入場の時さ俺の横通ったときから気になってたんだ・・・。」
「そうなんすね・・・。」
どうでも良さそうに頭を軽くかいている拓郎に俺は続けて
「できれば連絡をとりたい・・・。拓郎、幼馴染なら俺を紹介してくれないか?」
「え?俺がっすか?!」
普段気だるそうにしてる拓郎が目を丸くして大声をだした。
「なんだよ、別にすきじゃないんだろ?」
「ま、まあ・・・。」
「頼むっ!この通り!!!」
俺は手を合わせて深く頭を下げた。
「あ、あたま上げてくださいよ剛樹さん。あなたに頭を下げられたら困ります。」
「いや、このとおりだ・・・!頼む!!!」
「はあ・・・わかりましたよ。今日の夜、連絡先教えていいか聞いてみます。」
「・・・本当か!?ありがとう!お前最高だな!」
そういって拓郎に抱きついた。
「キモいんでやめてください・・・。」
そういって拓郎に逃げられたけど・・・。
「そんじゃ、俺帰るわ!」
「お疲れさまです。」
「また明日な!」
「はい・・・。」
俺は急いで家に帰った。
拓郎が複雑な顔をしてこちらを見ているのに気が付きもせず。