085, 4-04 最強のハーレム
前回のあらすじ
セクハラ素人め
目を覚ました俺は適当に身支度をして朝飯を作る。
朝飯が出来た頃、女達が目を覚ました。
泊めてもらったお礼に早起きして朝食を作ります、という気は全くないらしく、悪びれもせずに顔を洗い、飯を食い始める女達に呆れる俺。
冒険者ギルドで大鬼将軍討伐の依頼を受ける。
ゴブリンを倒せるようになれば新人の面倒は終わりなのだが、家出令嬢はもっと面倒を見ろとゴネていた。
流石に大鬼将軍を倒せば解放してもらえるだろう。
ダンジョンに入ると家出令嬢が「迷いそうだな」とか訳わからんことを言ってきた。
真っ直ぐ進めば次の階層への階段がある、どう考えても迷わない造りだというのに。
中級階層で魔力波魔法を使い宝箱を見つけると、獣人女が「凄いですねジョニーさん」と言いながら抱きついてくる。やめてくれ。
大鬼将軍の部屋へはそのまま入る。
俺一人なら大鬼戦士を先に始末するが、今回は問題ないだろう。
大鬼戦士を適当に相手しながら家出令嬢を見る。
やはり金持ちらしく、鞘から抜いた剣はミスリル製だった。
この街では売ってないのだが、商人なら取り寄せるとか出来るんだろう。
大鬼戦士が腕を上げる前に手首を斬り落とす、という中々やばい剣術で大鬼戦士を殺していく家出令嬢。
獣人女を見ると、ガントレットを外して大鬼将軍の腹に拳を突き入れ、体がくの字に曲がり下がった顎を蹴飛ばしていた。
倒れた大鬼将軍はピクリともしない。
俺が4時間かけて倒したモンスターをわずか4秒で倒した獣人女。
そして、ガントレットは武器じゃなかったのか・・・。
家出令嬢は獣人女が戦っていた場面を見逃したようで「そのモンスターを倒したのか?」と聞けば、獣人女は「転んで勝手に死にました」と答える。転んで死ぬわけがない。
魔石やロングソード、討伐証明の角を回収する。
金が無いとゴネないように全部渡す。
これで宿屋に泊まれるだろう。
ギルマスが受付を担当するまで時間があるので、ダンジョンを出て、森で暇つぶしする。
熊がいたのでぶっ殺す。
熊殺し出来る俺強えぇ!である。
熊の強さはゴブリン以上、オーガ以下なので普通に殺せるが、目を突いても死なない。
奥まで剣が入らないし、多分脳が小さいんだろう。
怯えて逃げる熊の喉をナイフで何度も刺して殺す。
動物虐待ではない。食うためだ。
俺が持っている魔法の袋には体が大きすぎて入れられない。
切り刻めば入るが解体方法を知らない。
森で獣を殺した時は狩人が共同で使っている解体所に持って行く。そこで解体済みの肉や加工された肉と交換してもらえる。
血抜きしたり熟成させたりとか色々あるそうだ。
店で肉を買うと高いので偶に狩人の真似事をしている。
熊はモンスターではないが、普通に強いので多くの狩人は挑まない。
身体強化を使える大型動物専門の狩人は、槍で心臓を一突きにし、死ぬのを待つらしい。
心臓を刺されてもすぐには死なないそうだ。
馬車に乗せるわけにはいかないので担いで歩く。
女達は一切手伝ってくれない。
街に入ると子供達がはしゃいで寄って来る。
ウザイが、気持ちはわかるので追い払うようなことはしない。
獣人女が子供達の前でセクハラしてくる。やめろよ・・・。
解体所で熊を引き渡しハムとソーセージを貰う。
前世、腸に肉を詰めていると聞いた時、最初に考えた奴は頭おかしいんじゃないか?と思ったものだが、この世界にも腸詰め肉がある。
もしかしたら普通の発想なのかもしれない。
そろそろギルマスが受付担当するだろうと冒険者ギルドへ行く。
家出令嬢と獣人女はBランク冒険者になった。
俺が三年かかった道程を二日で達成・・・、俺強えぇ!気分が台無しである。
なんにせよもう終わりだろうと解散宣言をすると家出令嬢がゴネる。
「そんな簡単に教育が終わるわけがない。まだ二日目だぞ!」
「いや、そもそもゴブリンを倒せる実力があるなら新人教育は終わりだ。必要な知識は本に載っているからな。大鬼は新人殺しと呼ばれている。お前は大鬼戦士を倒せるだろう。十分な実力がある。自信を持て」
「わ、私はいいかもしれないが・・・、彼女はどうするんだ!」と獣人女を指差す家出令嬢。
獣人女の面倒を見る約束など俺はしていないのだが、そもそも家出令嬢は獣人女の実力に気づいていないのか・・・。
「その女は問題ない」
「ゴブリンに囚われていた女性だぞ!確かに、心強く、冒険者になろうとしているが・・・、お前が支えてやるべきだろう!!」
何故俺が支えるべきなのか全くわからないが、気づいていないようなので教えてやろう。
「その女は、ゴブリンに囚われていたんじゃない・・・。ゴブリンハーレムを築いていたのだ!!」
俺が力強く真実を教えてやると、家出令嬢は、何いってんだこいつ、という目で見てきた。
おかしいのは俺ではなく獣人女である。
「その女は銀狼族という種族だ。銀狼族は、世界最強の種族と言われている」
俺がそう言うと、獣人女はニヤリと笑った。




