083, 4-02 素人と玄人の違い
前回のあらすじ
亡者のギルマス
洞窟に来た俺は、ゴブリンをぶっ殺してストレス解消する。
気づけばゴブリンは全滅していた。
家出令嬢が「私は何をすればいんだ?」と聞いてきたので適当にごまかし、魔石回収の指導をする。
家出令嬢がナイフと魔石回収をしている間、俺は後ろで家出令嬢の尻を見る。
安産型の・・・いい、お尻をしている・・・。
この安定した下半身からあのフットワークが生み出されたのだろう。
魔石回収のために動く家出令嬢。
尻を見るために付いて回る俺。
何度かそれを繰り返すと、魔石回収が終わったのか振り向こうとする家出令嬢。
俺はスッと目を閉じる。
女性は男の視線に敏感だ、という話をよく聞く。
前世の俺は、ただの自意識過剰だろ、と思っていたが、毒舌プリーストに付け回されて、なんとなく視線を感じる、というのが分かるようになった。
とはいえ、後ろから見られている時にどこに視線が向いているか、なんて俺にもわからない。
家出令嬢も見られていると気づいているだろうが、尻を見ているとは思わないだろう。
相手が振り向いた時、セクハラ素人は視線をそらしてしまう。
それでは、やましい気持ちで見ていたと気づかれる。
だから俺は目を閉じ、何か難しい事を考えているような表情を作る。
「終わったぞ」という家出令嬢の言葉で目を開く。
当然、視線の先には尻があるのだが、何でも無い風を装って首を上に動かし、相手の目をしっかりと見て「そうか」と言う。
これなら、ただ考え事をしていただけに見えるだろう。
相手に不快な思いさせるのはセクハラ素人だ。
エロシスター直伝の巧妙なセクハラ技術を持っている俺はセクハラ玄人だ。
俺が尻を見ていたのはバレなかったようで、洞窟に入る事にする。
松明を作ってやると、「私は光球の魔法が使えるから必要ない」とドヤ顔で言う家出令嬢。
先に言えよ、と思うも、家出令嬢は光球の魔法をよく理解していなかった。
普段、暗い時はランプの魔法具を使っていたという。
この世界の人間は暗くなったら眠る。
起きている必要がある時は普通にロウソクを灯す。
理由は単純に安いから。
滅多に使わないランプの魔法具なんて購入するのは金持ちだけだ。
やはり家出令嬢は商家令嬢のようだ。
魔法についてちょっと教えてやる。
俺は、工事現場のおっさんが使うライト付きヘルメットをイメージする。
頭がピカッと光るアレだ。
前世、なんだか間抜けだな、と思い見ていたが、頭を光らせるとかなり便利だ。
光球の魔法を手にくっつけると手が塞がる。
時間制限がある特撮ヒーローみたいに胸を光らせると、体が動く度に光も動いてしまう。
だが頭なら、視線の先を常に照らしてくれる。
単純だが、前世これを考えた人は天才だな、と感動し頭を光らせている。
しかし、家出令嬢はこの方法が気に入らないようなので、松明を持たせ洞窟に入る。
便利なんだがな・・・。




