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異世界転生俺TUEEE~女難の冒険者~  作者: 頭のおかしな神
第三章 冒険者ギルドと毒を吐く少女
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061, 0-29 幕間・生意気男子の訓練

・デュークの訓練



前回のあらすじ

 あれは嘘だ

「これが、ゴブリンの魔石だ。取り方も覚えたな。取ったらこの袋に入れろ。よし、集めろ」

ジョニーの指示で俺たちはゴブリンの魔石を集める。



「念の為に洞窟の中も調べる」

松明たいまつを持ったジョニーの後に付いていく。

ゴブリンがいないのを確認して、洞窟を出る。



「では、少し訓練の方法を説明する。まずは、体の可動域を広げる訓練だ」

ジョニーはそう言って地面に座ると、体を折り曲げたり、腕を伸ばしたりして、よくわからない説明を始めた。

「ジョニー・・・、ちょっとわからないんだけど・・・」

「そうか、とりあえず動きを真似るだけでいい。毎日少しずつだ。風呂上がりにすると効果的だ」

「わかった」



「次は、この木の棒を持て。剣を振る訓練だ」

ジョニーが落ちていた木の棒を拾って、俺たちに渡してくる。

「剣だと思って振ってみろ。最初は速く振り、その後、ゆっくり振ってみろ。これぐらいだ。体がどう動くのか、どう斬るか、ちゃんと考えろ。敵をイメージするのもいい。型・・・斬り方に決まりはない。力が入れやすいか、振りやすいか、で判断しろ。

次は突きだ。やり方もさして変わらん。突くだけだ。ゴブリンは、目を奥まで突けば死ぬ。心臓・・・胸を狙ってもいいが、深く刺すと抜けなくなる。一対一ならそれでもいいが、ゴブリンは群れで行動するからな。

余裕ができたら横や斜めにも動かしてみろ。上半身だけではなく下半身も意識しろ。全身を使う、ぐらいの意識で振れ。剣を振った時に体がぶれないよう心掛けろ。

最初はすぐに疲れるだろうが、必要な筋肉は自然とつく。毎日続けろ。じゃあ、街に戻るぞ」




街に戻り、冒険者ギルドで魔石をお金に変えてもらうと、ジョニーはそれを全部くれた。

「本当にいいのか?」

「ああ、新人のうちは変な遠慮をするな。お前たちが一端の冒険者になった時、新人の世話をしてやれ」



「ありがとう、ジョニー」とアデラが言うので、俺もお礼を言う。二人で金貨10枚、大金だ。

「武器屋でゴブリンのナイフが売れる。全部は売るな。採取に使いやすいナイフを一本ずつ確保しておけ。このバッグに入ってるからな。そのまま持っていけ。

宿屋は、冒険者ギルドを出て右に進むと、髭の男の看板がある。そこが、この辺で一番安い。宿屋の親父も髭を生やしているから、間違えることはない。二人で泊まれ。

採取依頼を中心に受けて、宿代と食事代を稼ぎながら訓練しろ。一週間後、どの程度木の棒を振れるか見てやる。朝、酒場にいるから声をかけろ。じゃあな」

そう言い立ち去るジョニーに、アデラが「またねジョニー!」と珍しく大きな声で言う。ジョニーは背を向けたまま手を振り、冒険者ギルドを出ていった。




俺たちはジョニーが言っていた宿屋を探す。

(ヒゲ・・・ヒゲ・・・)

「デュークあれ」

アデラが指差す先にはヒゲの男の看板があった。

宿屋に入ると、ヒゲを生やした男の人がカウンターにいた。



「お前ら客か?」

「はい、そうです」

「二人部屋は一泊、銀貨4枚だ。一人部屋は3枚。一週間前払いなら銀貨一枚安くなるぜ。どうする?」

「一週間、一人部屋で・・・」

「じゃあ、金貨4枚な。部屋の掃除は自分たちでしろ。洗濯の魔法具は宿の裏にある。タダだ、自由に使え。ベッドシーツも自分たちで洗えよ。ウチは食堂ねぇから、外で食ってくれ。なんか質問あるか?」

「いえ、ないです」

「んじゃ、これ鍵な。金出せ」




お金を払い、鍵に書かれた番号の部屋に行く。アデラとは隣同士だ。

「デューク、荷物を置いたら御飯を食べに行こう。その後お風呂に入って、訓練の後でお勉強しよう」

「そうだな。なんだかすごくお腹が空いたし、まず御飯だな」

俺たちは屋台で、魚と野菜を挟んだパンを食べ、それぞれの部屋でお風呂に入る。

(アデラ・・・今お風呂に入ってるんだよな・・・)

なんだかドキドキして、お風呂に潜った。




お風呂の後、アデラの部屋に行く。

お風呂上がりのアデラを見ると、俺はいつもドキドキしてしまう。

「ア、アデラ・・・訓練しよう」

「うん」

俺はアデラと一緒に、体を曲げるよくわからない訓練をする。

アデラが体を曲げる度にシャツの胸元が揺れて、ついチラチラ見てしまう。

剣を振る訓練は明日することにして、勉強をする。

冒険者ギルドの本は、絵がたくさんで文字は少なかった。

笑顔のゴブリンが楽しそうに冒険者と手を繋いでいる。

ベッドに座ってアデラに文字の意味を教えてもらう。

石鹸のいい匂いがして、またドキドキする。

(なんだかクラクラする)

「大丈夫?デューク」

「大丈夫って何が?」

「お顔が真っ赤だよ」

「ちょ、ちょっと疲れたかもしれない」

「じゃあ今日はここまでだね」




部屋を出る俺にアデラが言う。

「おやすみデューク」

「おやすみアデラ」

挨拶をして、自分の部屋に戻った俺はすぐにベッドに入ったけど、ずっとドキドキして、なかなか眠ることが出来なかった。

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