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異世界転生俺TUEEE~女難の冒険者~  作者: 頭のおかしな神
第三章 冒険者ギルドと毒を吐く少女
59/139

059, 0-27 幕間・生意気男子の冒険

・デュークの冒険



前回のあらすじ

 おっぱいが膨らみ始めた

「ジョニーだ・・・」と俺の隣でアデラが小さく呟いた。



「まぁ、呼び方なんてどうでもいいじゃねぇか。ちょっとコイツラの面倒見てやってくれ」

片足のお爺さんがそう言うと、ジョニーは俺たちを見る。



「ジョ、ジョニー!」

「お前達は・・・、村出身の孤児か」

「そうだよ。俺はデューク」

「わっ、私はアデラ。・・・ジョニー、その、わたっ―――」

「付いて来い」

アデラがなにか言おうとしたけど、それを遮って歩き出すジョニー。

開拓村で『来い!』と言われた時は、怖くて不安に感じたけど、知り合いのいない冒険者ギルドだと、なんだか頼もしく感じた。




壁の前で止まったジョニーは指差しながら言う。

「これは掲示板だ。ここに依頼票がある。冒険者ランクが記載してあるが、あくまで目安だ。自分でよく考えて受けないと死ぬから注意しろ。

この依頼票を冒険者証と一緒に受付に出せば、スタンプを押してもらえる。依頼票の控えもちゃんと受け取れ。受付の女は・・・たまに忘れるからな。

報酬は、夕方にギルマスが受付をする時に貰える。あの女は、スタンプしか押せない、と覚えておけ。

お前達は、一緒に行動するのか?」

「そうだ。ずっと一緒だ」

「そうか。なら、二人で受付に行って、スタンプを押してもらえ。依頼票はこれだ。依頼を受ける時は、冒険者証が一枚あればいい。受付カウンターに本があるから、ついでに一冊取ってこい」

「取ってこいって・・・お金払わないのか?」

「あれは無料で配っている。だが、一緒に行動するなら、二人で一冊だ。行って来い」




俺はアデラと一緒に受け付けに行き、冒険者証と依頼票をカウンターに置く。

「あの、スタンプ押して下さい」

受付の人は「任せるし」と言ってスタンプを押してくれたけど、返ってきたのは冒険者証だけだった。

「あの・・・、依頼票の控えが貰えるって聞いたんですけど・・・」

「もちろん覚えてるし、忘れてないし」

(この人、なんでクビにならないんだろう・・・)

俺たちは依頼票の控えを受け取って、ジョニーと一緒に街の外へ行くことになった。




街の出口でジョニーが言う。

「ここからは馬車で移動する。馬車での移動は、基本、一人銀貨1枚だ。今回は俺が出してやる」

「いいのか?」

「俺も新人の頃、馬車の代金を出してもらったからな。そういうものだ。気にするな」

俺とアデラはジョニーにお礼を言って、馬車に乗り込んだ。

馬車で移動中、「本を読んでおけ」と言われる。でも俺は字が読めない。字を読めるアデラは、熱心に本を読んでいた。



馬車が止まったので降りると、一緒に乗っていた人達は、地面にある階段を降りていく。

「あれはダンジョンだ。今回、俺たちは森に行く」



森に入ると、ジョニーは指差しながら言う。

「あそこにあるギザギザの赤い草、あれは食べると痺れる。似た香草があるから注意しろ。モンスターにも効果がある。

そっちにある紫の花の根には、鎮痛作用がある。

この赤い実は解熱作用だ。

ギルドで採取依頼を受けるなら覚えて損はない。本に全部載っているから完璧に覚える必要はないが、何となく分かるだけでも採取率は違う。

その斑模様まだらもようきのこは―――」

『完璧に覚える必要はない』と言うジョニー。でもジョニーは本も見ずに、目についた物の効果を教えてくれる。アデラは本と見比べて頷いていた。




そんなジョニーが急に「来るぞ」と言って剣を抜く。森の奥から何かが近づいて来る。

(モンスターだ)

ナイフを抜くアデラ。でも俺は武器を持ってない。

(どうしよう・・・、どうしたら―――)

俺は、なにか武器になる物がないか周りを見て探す。

でも、そんな必要はなかった。

ジョニーは、近づいてきたモンスターを踏んづけて、剣で刺し、あっさりと倒してしまった。

「こいつは、『スネークハウンド』と呼ばれている小型モンスターだ。蛇の頭が犬みたいだろ。

毒は持っていないし、あごの力も弱い。噛まれても、ちょっと痛いぐらいだが、傷から細菌が入ると病気になるから気をつけろ。

魔石を持っているが、小さすぎて見つけるのも一苦労な上、金にはならない。無視したいところだが、森に入ると一度は向かってくる。

動きは速く、噛みつかれる冒険者は多いが、冒険者用ブーツを履いていれば噛みつきは防げる。金に余裕ができたら買うといい」

ジョニーはそう言って、モンスターの死骸を蹴飛ばし進んでいく。




ジョニーが大きな木にくっついた、茶色い球を指差して言う。

「あれは、蜻蛉蜂とんぼばちと呼ばれる小型モンスターの巣だ。

毒もあり、何度も刺されると死ぬから気をつけろ。

だが、巣に近づかなければ攻撃して来ない。

魔石は小さいが、なかなか美味い蜂蜜が採れ、巣、1つで金貨1枚になる。が、1つの巣に100匹もいるから労力に見合わない。無視していい。

近づくと危険だ、とだけ覚えておけ」




そうやって、ジョニーはいろんな事を教えてくれた。




ジョニーはすごいな、と思いながら歩いていると、少し広い場所に出る。そこには洞窟があった。

ジョニーはその洞窟の入口に近づいて、大声で変なことを言いだした。

「お~~~い、ゴブリンく~ん。一緒にあっそびましょーーー」

「ジョニー!急に・・・どうしたんだ・・・」

「この洞窟にはゴブリンが定期的に住み着く。今回の依頼はゴブリン退治だ。ゴブリンは、こうやって呼ぶと10匹ぐらい出てくる。大体30匹が一つの群れだから、これを3回繰り返す。洞窟の中は暗く、光源が必要だ。だから、呼び出して倒すほうが楽だ。本にも載っている。覚えておけ」

「わ、わかった」

ジョニーは昔から変な奴だったけど、変な事する理由がちゃんとあった。

村で遺体を燃やしたのも、病気を防ぐ為だったと、前にアデラが教えてくれた。

(村でも、遺体を燃やした理由を聞けばよかったんだな・・・)

俺がちょっとだけ後悔していると、人間の子供みたいな、でも肌は緑色で、怖い顔をしてナイフを持ったモンスターが出てきた。今まで見たモンスターよりもずっと大きい。

でもジョニーは、そんなモンスター達も、剣で目を刺してあっさりと倒してしまった。

「なぁ、ジョニー。俺たち、何もしなくていいのか?」

「最後に少し相手をしてもらう。今はよく見ておけ」

そう言ったジョニーは、また洞窟に向かう。

「おーい、ゴブリ~ン!殺し合いしようぜーーー」

(理由はわかったけど、やっぱり変だな・・・)

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