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異世界転生俺TUEEE~女難の冒険者~  作者: 頭のおかしな神
第三章 冒険者ギルドと毒を吐く少女
58/139

058, 3-12 間違った選択

前回のあらすじ

 そうだ、娼館へ行こう

新人の面倒も終わり、金を貯めるため宿屋を引き払い、借家を探す。

不動産屋もあるが、仲介料を取られたくない。

この世界の人間は基本的に善良なので、冒険者ギルド付近の民家で、礼儀正しく聞き込みをすると、すぐに見つかった。

古い建物で上水は通っていないが、魔法具や家具がついた借家、一月金貨3枚。

俺が泊まっている宿屋は、一日銀貨5枚だ。宿屋の母娘との別れは辛いが、ここは我慢する。

ここまで家賃が安い理由は、魔石が付いていないからだ。魔石費用がかさむので、上水がない家は人気がない。

しかし、俺は冒険者だ。魔石など自分で取れる。



借家で風呂に入る俺。

森でヘチマに似た植物を見つけたので、それをタワシにして体を洗う。

いい気分だが、なんか視線を感じる。

換気用の窓を見るが、誰もいない・・・。



俺が住み始めた借家の近くで、度々、毒舌プリーストを見かける。

宿屋にいる時は隣の部屋だし、よく会うのも仕方ないと我慢していたが、やはり、ストーカーか・・・。



流石に風呂を覗いたりしないと思うが、念の為にカーテンを付けておく。




金を貯める日々が続き、金貨5000枚貯まった頃、俺は、16歳の誕生日を迎える。



「チュンチュンチュン」

小鳥が鳴いている。

朝食の卵を割ると黄身が2つ、なんだか縁起がいい。

食事も、節約のために自炊している。

朝食を食べながら、今日の予定を考える。

そして俺の妄想が始まる。




パターンA

「お客さん、朝から娼館に来るなんて・・・もしかして、こういうの初めて?」

「はい・・・その・・・、俺・・・その・・・」

「ふふ、そんな緊張しなくても、全部お姉さんに任せなさい♥」

パターンB

「お客さん、その格好なら・・・冒険者かしら?」

「ああ・・・、今日はダンジョンで、宝箱を見つけたんでな。娼館に来ることにした」

「ふふ、それはおめでとう。じゃあ今日は、たっぷりサービス―――あっ、駄目よそんな強引に」

「今日は、そういう気分なんだ・・・駄目か?」

「もうっ、お客さんだけ・・・特別よ♥」




う~ん、Bだな。Aは、おねショタっぽい。俺はもう成人、大人だ。封印されし闇も静かだ。

今日は、なんだか、いい日だし、宝箱も見つかるだろう。

童貞卒業は、「宵越よいごしの金は持たねぇぜ」と、格好良く決めたい。実際は貯金しているわけだが・・・。




冒険の準備を整え、借家を出る。

昨日の雨が嘘のように晴れ、太陽の光が眩しい。

道を歩けば輝きが見える、銀貨が落ちていた。



今日はいい日だ。

いつもと同じ道、同じ景色なのに世界が輝いて見える。

これが幸せというものか。



直接ダンジョンに行ってもいいが、何かイベントがあるかもしれない。

そんな思いで冒険者ギルドを目指す。




しかし、このときの俺はまだ知る由もなかった。

冒険者ギルドへ行く選択は大きな間違いであり、娼館へ行けない日々を過ごす事になるなんて・・・。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ついに冒頭に辿り着いた!おめでとう! 主人公視点はあまりグダつかない所が良いですね。 女難の本領はこれから! [一言] タグは「群像劇」を入れたほうがいいかもしれない。
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