055, 3-09 オーガとの戦い
前回のあらすじ
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中級冒険者になったので、中級階層へ行く。
ダンジョンの部屋には3匹のオーガ。
俺は、オーガの大ぶりの攻撃を避け、腕や足を斬りつける。仲間同士の連携もなく、適当に引き離せば一対一だ。
動きは単調でそれほど難しくはない。オーガの動きが鈍り、腕が上がらなくなってきたので、目を狙ってナイフを投げれば、ビクビクと痙攣し、倒れた。
残りのオーガも同じ方法で殺し、魔石を回収する。
ダンジョン内で物を放置すると、スライムが取り込んで消化する。オーガの死体を放置しても、一日程で消える。
倒すのに10分ぐらい掛かってしまった。
今回は、安全に倒すために時間を掛けたが、もうちょっと早くナイフを投げても殺せそうだ。
俺は無傷で倒せたが・・・、オーガは、新人殺しと呼ばれている。
低級階層にいるモンスターはスライムやゴブリンだ。
頑張れば身体強化が使えなくても倒せる。
しかし、オーガは違う。
オーガは身長2メートル以上あり、動きは速く、力も強いモンスターだ。
身体強化を使った普人より身体能力は高い。
とはいえ、戦闘技能があるわけではなく、武器も持っていない。
だが、多くの新人冒険者はオーガに殺される。
小鬼がいきなり大鬼だ。
俺がゴブリン3匹倒すのに1分もかからない、10秒ぐらいだ。オーガは3匹、10分。
低級階層で歯ごたえがないからと、調子に乗った新人が足を踏み入れて殺される。
・・・バランスが酷い。
しかし、神からすればどっちも雑魚だろう。
カナリッジ迷宮は、人間でもボスを倒せた、弱いモンスターのダンジョンだ。
普人からすれば脅威だが、オーガも弱い部類だ。強いモンスターは基本大型だ。
漫画なんかだと、人型モンスターはカッコいいし、人の言葉を話し、強い魔法や闇の武器なんか持ってるが、この世界だと体がデカイほうが単純に強い。
人型なんて、人間とほぼ同じ弱点を持っているし、攻撃も予測しやすい。オーガやゴブリンも、脳や心臓を破壊すれば死ぬし、首を斬り落としても死ぬ。大型モンスターなんて首を斬るのも一苦労だ。
オーガの強さは、ソロ冒険者でも倒せる程度の強さだ。
中級階層の魔石は金貨1枚で引き取って貰える。
宝箱も結構な頻度で見つけ、そこから出る大型魔石は金貨10枚。
武器も、武器屋で金貨2、3枚で買い取ってもらえる。しっくりくるショートソードは予備武器として残す。
すごい金が貯まる。
普通の中級冒険者は、パーティで、報酬を分け合い、装備の消耗も激しい。
俺は、ソロ冒険者で、報酬は分け合う必要もなく、装備も消耗しないよう気遣っている。
まぁ、金があって困ることはない。いずれドワーフの国で魔剣を買う予定だしな。
俺がCランクの中級冒険者になり、親切爺の頼みで他のパーティの助っ人をし、新人の面倒を見るようになる。
正直かなり面倒くさいが、親切爺には親切にしてもらったしな。
新人にはいろんな奴がいて、本当に何も知らない奴から、教える事がない奴までいる。
だが、優秀な、一日で教育を終えた新人が、調子に乗ってオーガにぶっ殺されたりする。
懇切丁寧に教えるのも面倒だし、死なれると後味が悪い。
仕方がないので、マニュアルを作る。
薬草とかは押し花の要領でそのまま貼り付け、イラスト中心に文字は単語で書く。絵心はないが、識字率が低いからな。
俺は大型モンスターを相手にはしないので、内容は初級編と中級編だけだ。
ギルマスに渡すと、涙を流しながら礼を言われた。大丈夫だろうかこの人・・・。
本の出版をする商人が印刷の魔法具を持っており、依頼すると有料でコピーしてもらえる。
次の日には、冒険者ギルドのカウンターに300部も置かれていた。無料で自由にとっていい。冒険者ギルドはやはり、金を溜め込んでいるようだ。
そんな事をしていたら、何故か奇人のジョニーと呼ばれるようになった。
俺は異世界転生者、この世界の人間と価値観は違うが、奇人はひどすぎる。マニュアル作っただけなんだが・・・。
中級階層にも慣れ、オーガを一匹1分で倒せるようになったので、大鬼将軍に挑む。
大鬼将軍を倒すとBランク冒険者になる。別にランクを上げてもいい事など無いが、暇つぶしだ。
大鬼将軍は、上級階層へ続く階段の手前の部屋に、20匹の大鬼戦士と一緒に陣取っている。中ボスみたいなもんだ。
大鬼戦士は、ロングソードを持った大鬼だ。流石に20匹同時に相手はしない。釣り出し戦法だ。
通路から石を投げる。石投げのジョニーの投石能力により、部屋から釣り出された大鬼戦士を一匹ずつ殺していく。
ロングソードを持っているが、間合いが大きくなった分、動きがさらに雑だ。懐に潜り込んで剣を目にぶっ刺す。瞬殺だ。
だが20回も繰り返すと、ちょっと疲れる。大鬼将軍は部屋から出て来ない仕様で、大鬼戦士が全滅しても反応がない。
魔石を集め、ロングソードを回収する。
そして、大鬼将軍に挑む。
大鬼将軍は、身長約3メートル。ここまでくると、もう大型モンスターだ。
しかし、人型だ。俺の剣術は対人戦闘に特化している。負ける気はしない。
ロングソードを持ち、軽鎧を着ている。
大鬼や大鬼戦士はズボンを履いていた。モンスターがズボン、シュールだ。小鬼は腰布だった。
ズボンから一気に軽鎧、やはりバランスがおかしい。
力量も今までの雑な動きではなく、なんとなく「剣術知ってます」という感じの動きをしている。ナイフを投げてもロングソードで器用に弾く。
だが、イケメン師匠の動きに比べると、やはり雑だ。人型だから動きも読める。間合いの内側に入り、手や足を斬りつける。たまに、すごく雑な動きで暴れてヒヤッとするが、それもワンパターンですぐ慣れた。
とはいえ、とにかく体がデカイ。軽鎧も着ているので斬りつける箇所も限られる。結局4時間かけて、ジワジワと出血させ、なんとか弱らせた。
普通の冒険者だと4時間も身体強化は維持出来ない。俺はもう、常に身体強化が使える俺強えぇ!を出来るようになった。4時間も身体強化を維持して戦うのは初めてだが、魔力が不安定になる感覚もない。
しかし、決定力に欠ける。やはり、大型モンスターはロングソードでぶった切らないと駄目か。
俺は、魔法の袋を複数、腰に巻いたポーチに入れている。ポーチから武器専用の魔法の袋を取り出す。
大鬼戦士から回収したロングソードを取り出し、魔力を纏わせる。
ロングソードなど普段使わないが、弱った大鬼将軍は動きが鈍い。
横薙ぎの一撃で両足を切断し、低くなった首をそのまま刈り取る。
普通はこれで終わりだが、念の為少し様子を見る。
ロングソードは、ポッキリと折れてしまった。普通は20回ぐらい持つのだが、それだけ大鬼将軍の防御力が高かったんだろう。
大鬼将軍の頭から2本の角を回収する。討伐証明であり、1本金貨10枚でギルドが引き取ってくれる。丈夫で軽いので、小札の形に加工して、ラメラーアーマーにするとか。着てる奴を見た事無いが・・・鎧を作るほど集めるとなると、相当な値段になりそうだ。
大鬼将軍の体にも変化はなく、動き出す様子もない。魔石とロングソードを回収する。軽鎧も売れるが銀貨5枚と一気にしょぼくなる。サイズがデカすぎるからな。脱がせるのも面倒くさいので、軽鎧は回収しない。
折れてしまったロングソードで鍛冶魔法の実験をしてみるが、上手くいかない。鍛冶屋に売れるが、大した値段にならないので置いていく。
15歳の俺は、中級上位のBランク冒険者に・・・、単独無傷で大鬼将軍倒せる俺強えぇ!である。
まぁ、倒せないモンスターには挑まない。最初から安全に倒せるのは分かっていた。倒せなくても、部屋から出れば追って来ないし、本当にただの暇つぶしだ。
カナリッジ周辺で、騎士団がよく討伐する大型モンスターは、体長約6メートル、硬い甲殻を持ち防御力も高い、もっと強いモンスターだ。口から魔法吐いてくる個体もいるらしい。これを倒すとAランクだが、単独で勝つのは無理だ。魔剣があれば、倒せるかもしれない。
大鬼将軍の魔石は金貨10枚、2本の角で金貨20枚、大鬼戦士の魔石も合計金貨20枚、ロングソードは武器屋に売ればなんと一本金貨10枚、20本で金貨200枚だ。武器屋は、そのロングソードを金貨30枚で販売するのだが・・・。
合計、金貨250枚。大鬼将軍は面倒だが、大鬼戦士はいい鴨だな。大鬼将軍は3日ぐらいで復活する。誰も挑まない時に、大鬼戦士だけ狩ろう。




