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異世界転生俺TUEEE~女難の冒険者~  作者: 頭のおかしな神
第二章 孤児院とエロシスター
43/139

043, 0-23 幕間・謀略女王の考察

・ルクレーシャ=クロトーの考察



前回のあらすじ

 女の子には秘密があるんだよ♡

まずこの国、クロトー王国に軍隊はない。

てゆうか、このルービアス大陸のどの国にも軍隊はない。

理由は、この世界が人間にはハードモードすぎるから。




この大陸には2千年ちょっと前まで、たくさんの神様がいたそうな。

最初に本で読んだとき、御伽噺おとぎばなしかな?と思ったんだけど、これ事実らしい。

神様たちが世界を去る時に、いろんな人間を作り出したんだとか。作った理由は不明。どうせ碌な理由じゃないよ。

強い種族も弱い種族もいて、当時の普人は弱い種族だった。

エルフみたいに魔法が得意なわけでもなし、ドワーフみたいに強い武器が作れるわけでもなし、獣人みたいに身体能力が高いわけでもなし。

これは別に普人に限った話じゃなくて、ほとんどの種族が弱かった。

そんな時に手を差し伸べてくれた種族がエルフ族。

エルフ族は、エルフを造った偉大なる神様・エニュモルマルファルス様に「みんなで仲良く暮らすように」っていう神託を受けたらしい。

私は思った。変な名前の神様だな。



エルフは生まれた頃から魔法を使えて、モンスターから守ってくれる。寿命も長いイケメン種族。魔力感知で魔法を使えるようにもしてくれる。

戦争なんて起こるはずがない。子供と大人以上の戦力差がある。

エルフも自分達が優遇された種族だってなんとなく気づき始める。だけど神様からの神託があるし、弱い種族にチヤホヤされるのは気分がいい。

だから他の種族と、うまいこと共存していた。

その後、魔法具なんて便利な物を作り出したエルフに、ドワーフが頭を下げるようになる。

ただ、部族ごとに争っていた獣人たちは、支配下には置けなかったそうな。魔法を自然に使える種族や使えなくても身体能力が高い種族、魔法具なんかに興味ない人達だから支配しようがない。

だけど、種族としてのまとまりもないから、なんの影響力もない。

これがエルフの世界支配。



そんな中でも、エルフ族の寵愛を最も勝ち取った種族が普人族。きっとイケメンハンターが大勢いたんだね。

エルフ族は寿命が長いせいか恋愛草食系の種族になって、普人族はすぐ死ぬから子孫を残すことに積極的な恋愛肉食系種族になった。

だからエルフと普人のカップリングがたくさん成立した。



そうして長い年月の中で、エルフ族の指示で、種族ごとに国を作る。

普人の国は、どれだけエルフの愛を得られたかで身分が決まった。

クロトー王国の王族や貴族は、戦争で強さを競って出来た身分制度じゃないのだ。

だから貴族や王族は、エルフの特性を受け継いだ魔力干渉魔法使いが産まれやすく、王都の周りの平民も、魔力干渉魔法使いが多い。

グリゼルも王都近くの村出身だしね。



900年ぐらいは普人とエルフの蜜月の関係は続いたんだけど、種族特性の引き継ぎ現象が発見されてから、エルフは徐々に国に引きこもってしまう。

そして、千年前にドワーフに魔法具の技術が漏れて、とうとうエルフの世界支配は終わる。



この後、ドワーフとエルフの争いがあったみたいだけど、一番多くても1000人規模の戦い。

これは、人間同士で争ってダンジョンパニックなんて言う災害が起こると、ボスモンスターが出てきて手に負えなくなるからとか。

エルフ族が国を作らせたのも、ダンジョンの管理が理由。

普人の国は昔、手に負えないダンジョンをドワーフの国に任せるために、領土を減らしたこともある。

ドワーフが引き受けた理由は、モンスターが溢れたら自国にも被害が出るから、嫌でも引き受けるしかない。

領土争いどころか押し付け合う世界なのだ。

このボスモンスター・・・ほとんど人間には倒せないような存在というハードすぎる世界だから、戦争の規模も小さい。

勝敗条件や人数などルールを決めてやるのだ。スポーツみたい。ちょっとした争いは一対一の決闘で決めるぐらい。

でも、一度の戦いで全てを決める、なんてことはなく、何度かに分けてやる。

ドワーフとエルフの戦争は、魔法刻印の何を使ってもいいか、という争いを500年も続けた。

流石にそんなに長く続けると、小規模な争いでも死人が大勢出てしまい、モンスターに対抗する力も減ってしまうのでもうやめよう、とグダグダに終わった。




だからクロトー王国に軍隊はない。元帥も将軍もいない。それどころか宰相もいない。政治も、大臣たちが話し合っても決定権はなくて、最終的に王様が決める。前王は丸投げだったけど、普人の国は王権が強い国なのだ。

東の公爵の反乱は歴史的に見ると、かなり思い切ったことで、5万対5万の争いなんて起こったことがない。私が煽ったんだけど。

きっと東の公爵も、こんな大事になるとは思ってなかったんだろうね。

100人ぐらい集めて、勝って政治的にマウント取ろう、とか考えてたんだろうけど・・・もう手遅れだよ。



そんな理由でかなりグダグダ。

私は戦争とか詳しくないけど、前世の世界なら兵を集めるのに半年も現実的な気がする。

人がたくさん集まると歩くだけでも時間がかかるって聞くし、武器とか食料も集めて運ばなきゃいけない。



でも軍隊がないから、みんな現地集合だ。

それぞれの貴族が領地から、モンスターを相手する騎士団や、街の治安を守る衛兵を適当に連れてくる。

そしてこの世界、魔法の袋がある。食料を集めるのに苦労しても、運ぶのは楽ちん。



そんな感じで開戦まで半年だ。そして、戦いが始まっても、戦い方がわからない。

結局、何回かぶつかって一週間、膠着状態に。



私は、この半年間の記録を出来るだけ取るように、忍者部隊に命令しておいた。

前世の知識がないなら、今生で集めるしかない。

また戦争あるかもしれないし、アドバンテージは大事だよね。

でも今回は戦争で決着つける気はないから、勝ち負けはどうでもいい。

いくつかパターンを考えて台本を用意してたんだけど、膠着状態パターンになった。

やることは大して変わらない。私は忍者部隊に命じて・・・、東の公爵領に火を付けた。

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