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異世界転生俺TUEEE~女難の冒険者~  作者: 頭のおかしな神
第二章 孤児院とエロシスター
39/139

039, 0-19 幕間・エロシスターの名案

・リリスの名案



前回のあらすじ

 デッカイおっぱいなら男なんてイチコロさ

目が覚めると男の子は起きていた。けれどやっぱり不安が強いみたいで、とても力強く抱きついていた。

「ねぇ、あなたの名前を教えてくれる?」

「僕はジョニー、ジョニーっていうんだ」

「私は教会でシスターをやっているの。だからシスターって呼んでね。ジョニー、お腹減らない?一緒に御飯を食べに行きましょう」

「僕まだお腹へってない」

「でもお友達はお腹が減ってるかもしれないわ」

「僕友だちいない」

「そう・・・でも私はお腹減っちゃった。だから一緒に御飯を食べましょう」

「うん。シスターと一緒・・・」

そう言って甘えるジョニーを連れて食事をするため孤児院に行く。女の子達は新しく孤児院に来た子達を起こして来てくれたみたい、けれど男の子達はもう少し眠らせてあげたいと考えたのか、新しい子達は見当たらない。

神父様が男の子達を連れてきて下さったので、私は自己紹介をし、台所へ行って昨日準備しておいた朝食を魔法具で温める。そんな私にジョニーが話しかけてくる。

「なにか手伝えることはない?」

「ジョニー、皆と一緒にいてもいいのよ」

「でもさっき、お手伝いしてほしいって言ってたから、僕お手伝いするよ」

「そう、じゃあパンを運んでもらおうかしら。ジョニーこれ持てる?」

「うん!持てるよ」

そんなジョニーを見て神父様が「ジョニーはいい子ですね」と言えば、ジョニーは嬉しそうに笑った。やっぱり神父様は凄いな。



料理を机に並べ、皆が椅子に座ったのを見て神父様が「では食べましょう」と言えば、それを聞いた子供達が食事を始める。でもジョニーは手を合わせ、よく聞き取れない言葉を口にしてから食事を始めた。

(あれは・・・食前の祈りかしら)

知識の神・ビブリチッタ様は、困ったことは勉強して解決しましょう、という教えの神様で、この教会に戒律はない。でも色々と決まり事がある教会もある。

ジョニーの両親は戒律がある教会の神様を信仰していて、幼いジョニーに教えを説くほど信心深い人だったのかもしれない。



食事の後もジョニーはお手伝いをしてくれた。「遊んできてもいいのよ」と言う私に、村でもよく両親のお手伝いをしていたと話すジョニー。ジョニーはお手伝いをすることで、悲しみを乗り越えようとしているのかもしれない。

掃除をしながら孤児院や教会、図書室を案内する。魔法具を使うのは初めてというジョニー。だけど使い方を教えるとすぐに覚えてしまった。

夕食の準備を手伝ってくれる信徒さん達ともすぐに仲良くなって、だから私は、ジョニーはなんの問題もない、賢くて人当たりのいい子なんだと思った。

私は忘れていたのだ。今朝、ジョニーが友達はいないと言っていたことを・・・。



孤児院の部屋へ行ったはずのジョニーが、教会の私の部屋に飛び込んできた。

「どうしたのジョニー?」

「みんなが僕を火付けのジョニーって呼ぶんだ」

「火付けのジョニー?」

どうしてそう呼ばれるのか心当たりを聞いてみると、父親が病気で倒れた時に、自分達が死んだら死体を集めて燃やすようにとジョニーに言ったそうだ。その遺言を守って遺体を燃やしたら、子供達に嫌われてしまったという。元々この孤児院にいた子供達もそれを知ってしまったのだろう。

(可哀想に・・・。ジョニーのお父さんはきっと街に住んでいたことがあるのね)

流行り病などで亡くなった場合は、出来るだけ火葬にするようにと街でも決まっている。私の両親も墓地で合同火葬された後に埋められた。

私は悲しむジョニーに部屋に戻りなさいとは言えず、その日も一緒に眠ることにした。



次の日も次の日も私の部屋にやって来るジョニー。流石に心配になって神父様に相談することにした。

「ジョニーには、昔エリックが使っていた一人部屋で生活してもらいましょう」

「でも他の子供達と仲直りさせてあげたほうがいいんじゃ・・・」

「ジョニーは賢くていい子です。子供達と距離ができても大人とは普通に話せています。私に街のことをよく聞いてきますし、人嫌いになったわけでもありません。時間が経てば他の子供達もジョニーのことは理解できるでしょう。辛い境遇でもくじけずに、お手伝いも勉強も頑張るジョニーは大丈夫です。それより心配なのは他の子供達です」

「他の子供達がどうしたんですか?」

「ジョニーが孤児院の掃除をしていている間、他の子供達は遊んでいます。子供のうちは遊ぶのも大切なことですが、流石にジョニーが追い出された部屋をジョニーが掃除するのは健全ではありません。これではろくな大人になれないでしょう。正しく導くのも我々の務めです」

確かにジョニーはとてもいい子だけれど、子供らしく甘えたり、わがままを言うこともある。悲しいことがあれば、ちゃんと話してくれる。昔の私やエリックは、悩みがあっても内に溜め込むばかりだった。それに比べればジョニーは大丈夫だとわかる。

私が目の前の問題ばかり考えている間、神父様はもっと先を見据えて物事を考えていた。私もいつか神父様みたいになれるだろうか。




ある日、エリックが教会を訪ねてきた。

「やぁシスター、子供が増えたって聞いたけど大丈夫かい?」

「どうしたの衛兵さん、こんな時間に」

「いや、子供が増えたって聞いたから、なにか手伝えることはないかと思ってね」

私とエリックが話をしていると、ジョニーが腰にしがみつきながらいてきた。

「シスター、この人だれ?」

「彼は、この街の衛兵さんよ。たまに孤児院の様子を見に来てくれるの」

「お、新しく来た子か?お兄さんに名前を教えてくれるかい」

「ジョニーだよ」

「ジョニーか。いい名前だな」

「衛兵さん、子供は6人増えたけど、ご近所の信徒さんも手伝ってくれるから大丈夫よ」

「そうか、大丈夫か・・・」

そう言って帰ってしまうエリック。困ってるって言えばもっと長く一緒に居られるのかな・・・。でも嘘を付くわけにもいかないし。



大丈夫と言ったのに、その日からエリックが教会に来る頻度は少しだけ増えた。料理の手伝いをして、帰る時にごみを持っていってくれる。

私は久しぶりに幸せな気持ちになった。でもそんなエリックを警戒してかジョニーが言う。

「あの衛兵のお兄さんが、たくさん教会に来るのはおかしいよ。きっと悪いことを考えてるんだよ。だって他の衛兵は来ないじゃないか!」

真剣に言うジョニーがおかしくて、私は笑いながら答える。

「大丈夫よジョニー。彼はここの孤児院出身だから、心配で様子を見に来てくれているだけよ」

「でもシスターはお兄さんのこと、衛兵さんって呼んでるよね。お兄さんもシスターって呼んでたし・・・変だよ!」

「そうね。変かもしれないわね。でも、いつの間にかこうなっちゃったのよ・・・」

(本当に、どうしてこうなっちゃたのかな・・・)



ジョニーは次の日、お手伝いにも勉強にも来なかった。どうやら遊びに行ったみたいだ。

(ジョニーもまだ5歳の子供だし、こういうこともあるかな)

そうは思っても、ジョニーなら遊びに行くと一言いってから出かけるような気もする。そんな私の不安は的中してしまい、ジョニーは夕食の時間になっても帰って来なかった。神父様が先に他の子供達に御飯を食べさせる。

私はジョニーがいつ戻ってきてもいいように心配しながら待っていると、歩いて帰ってくるジョニーが見えた。目が合うと、ジョニーは走りだし、胸に飛び込んでくる。ジョニーを抱きしめながら私は聞いた。

「ジョニー今までどこに行っていたの?心配したのよ」

「シスター、僕、冒険者になるよ。どうやったら強くなれるかな」

「ジョニーは頭がいいから冒険者にならなくてもいいのよ」

「僕は冒険者になりたいんだ。だから強くなる方法を教えてよ」

(強くなる方法って言われても・・・)

ジョニーはまだ魔法は使えないし、ジョニーが知りたいのはそういうことじゃないと思う。強くなる方法・・・、戦う方法・・・、エリック。

「私にいい考えがあるわ。明日から訓練ね」



次の日、訪ねてきたエリックにジョニーのことを話すと快く引き受けてくれた。

「よしジョニー、今日から俺と訓練だ。師匠と呼ぶように!」

そう言うエリックにジョニーはすごく驚いていた。

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