021, 0-11 幕間・謀略女王の謀殺
・ルクレーシャ=クロトーの謀殺
前回のあらすじ
時代は逆ハーだ!
悪役令嬢の冤罪が解けたので、やっぱり王宮にいる王族は全員殺して、最後に王様も殺そう。
そうなると悪役令嬢も巻き込まれて死ぬのかな。まぁ、どうでもいいよね。私もそこまで悪役令嬢に興味ないよ。
といっても全員をグリゼルに暗殺してもらうなんて不可能・・・チートなグリゼルなら出来るかもだけど、別のやり方で殺す。
とりあえず噂を流すことにした。
もちろん王宮のご令嬢のお茶会に参加して、なんて方法ではなく、メモや手紙、書類の偽造なんて方法で。
王位継承権を放棄した王族も王宮に住んでいる。
王様も高齢だし継承戦も終盤、継承権を持った王族も減ってきた。
そんなときにある噂が流れる。
「継承権を放棄したと嘘をついている奴らがいる」と。
これが驚くほどうまくいった。
もともと王族が多すぎて、争い合う下地があったのだ。
東と西の公爵たちが、それをうまいことコントロールしてきた。
それが一気に崩れた。
王宮の中で血みどろ殺し合いが始まったのだ。
愛人や無関係な使用人なんかも巻き込まれて死に始めた。
これに気分を良くした私は、グリゼルに子供や妊婦の毒殺を命じた。
小さい子はあまり巻き込まれないし、争ってる人たちも妊婦を襲うのはって遠慮があった。
プニプニ好きなグリゼルに出来るかな、と思ったけどやってくれた。
私が死にかけて彼女の中でも何かがブチギレたらしい。
子供が死ぬのは私も罪悪感がある。流石に悪いな、と思った。
だから私は、胸の前で手を組んで、神に向かって聖女のように祈りを捧げる。
(どうか転生できますように)
なんと言っても私は異世界転生者。あれでしょ。死んだら転生できるんでしょ。
そんな軽い気持ちで殺しまくった。
その合間にグリゼルへ異世界知識を授けた。
隠し通路を見つけるために、エコーだかソナーだかの音波の魔法を覚えてもらったり。
音が伝わるのは確か空気の振動からだと、遮音の魔法を覚えてもらったり。
そこで、やっぱり攻撃魔法もほしいよね、と思ったけどあんまり派手な魔法はどうかと思って、ちょっと変わった魔法を覚えてもらった。
人間は電気信号で動いている。
そんな話をを聞いたことがあった。
この世界の普人が同じかどうかわからないけど。
相手の体の中の電気信号をいじれば、体を操ったり、気絶させたり、痙攣させて動きを封じたり、色々出来ると思ったのだ。
使い勝手もいいし、建物の中で使っても被害はないよね。
普通は、相手の体に直接魔法を作用させることは出来ないらしい。
魔力抵抗みたいなものがあるんだどか。
普人は10歳で魔力生成が始まり、魔力抵抗が出来てしまう。
でも魔力干渉でこれを突破でき、魔力感知で魔法を使えるようにしたり、回復魔法で傷を治したり、解毒魔法で解毒したり、支援魔法でパワーアップさせたりできるそうな。
グリゼルにはこれが出来る。
だからやりたい放題だ。
そこで出来た傀儡魔法や痙攣魔法は成功し、かなりのチート感を出している。
つまり10歳より前の子供へは、普通の魔法使いでも干渉できるじゃん。
子供の死亡率が低かったのもこれが原因だった。魔法さえ使えれば誰でも回復できちゃう。
私は早く大人になりたい。10歳以上になって魔力抵抗ほしい。と思っていた。
なんか前世でも同じように、早く大きくなりたいとか思ってた気が・・・気のせいかな。
だがいいことばかりでもないようだ。
この世界には、逆に魔力生成がきっかけで起こる、魔力汚染なんて病気がある。
毒っぽいなと思ってグリゼルに頑張ってもらったけど無理だった。
強いモンスターの魔力特有らしくて失敗した。
そもそもこの病気、魔法が使えて魔力コントロールできる人には効果がないそうな。
これは、この世界の知識だしね。
そんなふうにグリゼルをパワーアップしていった。
子供が死んで、争いに拍車がかかり、多くの者達が巻き込まれていった。
そこで王族を恨む者たちがいたので、助けてあげることにした。
なんと言っても私は可愛い聖女様。カワイイは正義!私は正義!!




