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異世界転生俺TUEEE~女難の冒険者~  作者: 頭のおかしな神
第一章 ありがちな転生
20/139

020, 0-10 幕間・謀略女王の潜入

・ルクレーシャ=クロトーの潜入



前回のあらすじ

 私はキレた

みんな殺そう。

そう思ったけど私の手駒はチートキャラ一人。

だから逃げることにした。



街に行こうかと思ったけど捜索がかかるかもしれない。

安全な場所はないかと考えて思いついたのは後宮。

後宮に王様以外の王族はいない。

そんな王様もたまに帰るだけ。



子供をたくさん作った王様は、国がだんだん豊かになっていくのを見てムカついた。

自分が結んだ条約で、魔法具がたくさん入ってきた。みんな幸せそうにして、貴族たちも笑ってる。愛する妻は死んだのに。

だから贅沢をした。とにかく金をかかることをして、芸術品を買い漁った。

そしてそんな芸術品を後宮に運んで、たまに眺めているのだとか。



でもどうやってそんな場所に入ろうか。

頼れるのはグリゼルだけ。

グリゼルは魔法が凄い。

私が死ななかったのも、グリゼルが魔法で解毒してくれたから。

私が哺乳瓶を前に毒を恐れたのを覚えていて、本を読んで解毒魔法を習得していたのだとか。




この世界で魔法は、適当にイメージして願うだけで使う方法と、魔法言語を唱える方法がある。

そして、そんな魔法言語を見ることが出来るのはチート種族エルフだけ。

エルフは精霊と魔法言語が見える。

魔法言語は魔法を使った時に見える。

でも魔法は別に、魔法言語なんてなくても使える。

最初これを本で読んだ時「え?じゃあ意味ないじゃん」と思ったけどそう簡単な話でもないみたい。



投石の魔法を火の魔法で包んでぶつける。

エルフなら石が隠れてるって魔法言語でバレバレなんだとか。

エルフ相手に魔法での騙し合いは通じない。



それにこの魔法言語とやら、唱える以外にも使いみちがある。

魔法具だ。

魔法言語をアレヤコレヤして魔法刻印とやらにして、道具に刻むと魔法具の完成。

当然、最初はエルフしか作れなかった。

でも魔法具を見て作ってみたいと思った種族がいた。

ドワーフ族だ。

ドワーフは物作りチートを持ってる種族で、色んな物を作ってはエルフ族に貢物をした。

「どうかお願いします。魔法言語の一節でもいいので教えて下さい」と。

エルフ族も馬鹿じゃない。魔法言語や魔法具が自分たちの強みだとわかってる。だから簡単には教えない。

でもドワーフ族の情熱と貢物はすごくて根負けしたエルフ族が「じゃあこれだけ教えてやる。しょぼい一節だけどな」と教えてしまった。

たった一節のしょぼい魔法言語。それを数ある魔法具の魔法刻印と照らし合わせて解析を続け、ついには解読法を見つけてしまったらしい。

「解読法さえわかればこっちのものだ」と手のひら返して貢物をやめ、魔法具づくりに邁進したドワーフ族は魔法具づくりの名人種族に。

もともと普人族に魔法チートが流れて、ちょっとだけ世界支配が揺らいでいたところにそれだ。

それで結局エルフ族の世界支配は終わり、エルフとドワーフはかなり仲が悪い。




でも今、必要なのはイメージだ。

私は、グリゼルに光学迷彩の魔法を覚えてもらうことにした。

光の屈折率で姿が見えなくなるという、よくわからない技術。

私自身なんのこっちゃわからないけど、漫画やSF映画に出てきたうろ覚えの知識を根気強くグリゼルに伝える。

ウンウン頷いて聞いていたグリゼルは急に姿が見えなくなった。

成功したみたい。

「見えなくなった」

私がそう言うと、魔法を使うのをやめたのかグリゼルが現れる。

私はグリゼルに抱っこしてもらい、家庭教師ガヴァネスの死体を放置したまま、4年暮らしていた小さな部屋を出ることにした。




後宮潜入は簡単だった。

後宮と言っても宮殿一つ、なんてことはなく、正妻や第二夫人、第三夫人、愛人のための宮殿がある。

今の王が作ったわけではなく過去の王達が作ったものだ。

下級使用人が使う屋敷やお外でお茶会するための庭園、大きな池やちょっとした森まである大きな区画だ。

池や森は人工らしい。森って作れるんだ。



後宮区画の入り口には警備の近衛がいたけど、光学迷彩の魔法に全く気づかない。

結構な広さがある後宮区画は閑散としていた。

妻や愛人がいないにしても、管理の使用人はたくさんいると思ってた。



調べてみると王妃様が住んでいた宮殿を、王妃様の元侍女の女官長が管理維持しているみたい。

その近くに王様が芸術品を集めていて、たまにやってくる。

その芸術品を管理する人がいるだけ。



それ以外の場所は放置で、荒れ果てているとまでは言わないけど、掃除などはされていない。

ホコリが積もっていて、誰も入っていないのがわかる。

私にとっては都合がいい。




そんな場所で、私とグリゼルの拠点作りが始まる。

基本的に私は指示をするだけだ。

掃除なんかは最初手伝ったけど、ご飯や服、魔法具を使うときにいる魔石を王宮から盗んでくるならグリゼル一人のほうがいい。

もちろん光学迷彩の魔法で姿は見えないのでやりたい放題。

てゆうか実は、王宮生活でも食事なんかはグリゼルがパクってた。誰もお世話してくれないしね。

エルフがいれば魔法言語で丸見えだけど、普人の国の王宮にイケメンエルフはいない。



物資集めのついでに「侍女長見てきて」とグリゼルに命令する。

そういえば、夫を毒殺したんだよね。

私も毒を盛られたし。

もしかしてこいつが黒幕かもと。

こいつが黒幕ならこいつを殺して、グリゼルと一緒に気ままな冒険者ライフでも送ろうかなと思ったのだ。



戻ってきたグリゼルは私に言った。

「見てはいけないものを見てしまいました」

お、やっぱ黒幕だった。



しかし、聞いてみると全然違った。

キャリウーマン風の侍女長、悪役令嬢はキャリアウーマンとして活躍してる、なんてことはなく、複数の王子様たちと恋愛してたらしい。

もともと衝動的で場当たり的な、頭のおかしな彼女は、私のことなど綺麗サッパリ忘れて、時代は逆ハーだ!と逆ハーレムライフ楽しんでいたそうな。

既婚の王子様の正妻との修羅場を見てグリゼルは戻ってきた。ごめんねグリゼル、侍女長見てきてなんて命じて。




トラウマになりそうなことは忘れてもらって、王宮から色々くすねる。

そんなグリゼルの窃盗で、私達の後宮での拠点が出来たので、色々と動き始めることにした。

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