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爆弾2 対フレイン 後編

 そうこうしてるうちにフレインがドツ・ダラ・ヴィーラを抜刀する。



「おうおう、焦って両方切ったらドカンだぞ? 大丈夫か?」


「どうせ、どっちを切っても爆発するのを察して、爆弾ごと叩っ斬ろうとしてんだろ」


「バレバレか……てか斬れんのか? セレジアじゃああるまいし」


「おい、セレジアは剣豪だが、固定物を斬るのは得意なわけじゃねえだろ。あいつはただの対人鬼だ」


「ああ…………そうなんかな……」




<以下ジュリア、ダンテの妄想>


 セレジアはゆっくりと愛刀ネリンを抜刀した。いつもなら刀身が桃色に染まるところ、今は銀色のままだ。


 セレジアの顔に笑みはない。不機嫌さもないが、興味もあまりなさそうな表情だ。


 抜刀した刀を頭上へ持っていく。予想できない感覚的な動きをするセレジアにはあまり似つかわしくない動きだった。


 セレジアの足元にあるのは爆弾。斬りやすいようにセレジアの腰下くらいの位置に台で固定されていた。


 構えた状態でしばらく静止し……すると思った瞬間に刀は素早く落とされた。銀色の刀身は目にも留まらぬ速さで爆弾の中を通過し、文字どおり爆弾を真っ二つにした。


 台座ごと斬り大きな音をたてて崩れる残骸。



 セレジアの表情は先と変わらず興味のなさそうな顔をしていた。







<ジュリア、ダンテ妄想から復帰>



「セレジアならできそうだな」


 俺が言う。


「そうだな」


 ダンテが答える。






<フレインの部屋、同刻>


 爆弾の構造を



 フレインはゆっくりとドツ・ダラ・ヴィーラを抜刀した。


「こんなことに使ってごめん……ヴィーラ……」



 表示はすでに2分を切っていた。


 ドツ・ダラ・ヴィーラを頭上へ挙げ、柄を強く握るフレイン。



 (ここら辺だろうか……)



 フレインは爆弾の内部構造を頭の中に思い浮かべる。中の信管の位置をある程度予想する。


 フレインは《排他》を発動させた。爆発したときのための予防策のためだ。唾を飲み込むフレイン。そして刀は一気に刀を振り下ろした。



 振り下ろすと同時に《加速》と《侵食》を発動する。


 ドツ・ダラ・ヴィーラの刀身は勢いを失うことなく爆弾を真っ二つにした。




 断面から見える信管、配線の束、固形の爆薬。



 フレインはしんとした周りを実感し、安堵した。



「はあ……」


 ため息がでた。






<ジュリアの部屋、同刻>


 「あーあ、切られちまったよ、くそが。今度は信管ダブルでしかっけか? もういっそのこと2個設置しちまうか」


「勝手にしろや」


 モニター内のフレインはスマホでどこかへ連絡をとっている。おそらく軍警だろう。


 その後、フレインの部屋にガチガチな防護服を着た専門部隊が到着し、爆弾の解体作業を始めた。信管は切ってあるが、液体窒素の用いた解体を行い、1時間で終了した。



 フレイン曰く、その後の部屋は寒かったらしい。


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