表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/103

適性検査⑦


 俺たちは他の拒絶刀も試したが結果は似たり寄ったり。フレインがダメダメで、セレジアは結構いいところまで手を伸ばせるが、結局は触れられた刀はなかった。


 俺たちは最後の種類の刀の部屋へ移動する。最後は遠くて歩いて4、5分くらいかかる。



「セレジアは《理解》に関しちゃ、割と優秀なんだな」


「ありがとうございます」


「昔からか?」


「いえ、軍学校時代はからっきしでして。切断の能力刀も理解できませんでしたわ」


「は? 切断刀は基礎中の基礎だろ。俺が学校にいた時も、《理解》できなかったやつはいなかったぞ?」


「中退のくせして」



 ダンテが余計な言葉を挟む。



「おい、その言葉いらねえぞ? セレジアの話本当なのかフレイン」



 俺もダンテもフレインの方に目線を向ける。セレジアとフレインは軍学校時代の同期だ。


 フレインは戸惑ったようにセレジアの方を見るが、セレジアは「別に構いませんわ」と言わんばかりに飄々とした表情だった。



「ま……まあ……確かに最初のうちは能力刀での訓練ができなかったね」


「まじかよ、聞いたかダンテ、この螺旋女、落ちこぼれじゃねえか!!」


「失礼しちゃいますわ」


 セレジアは依然、なんとも思ってなさそうな表情。生半可な煽りや罵倒じゃなきゃ、表情を崩すことはできなさそうだ。


「でも……能力なしの剣術の訓練だったら、誰も敵わなかった。最後の年なんて教官が負けるくらいだったから……」


「まじかよ……」


 先とは違うトーンの「まじかよ」がでた。ダンテの方を見ても苦い顔をしていた。心の中で「まじかよ」と言っているのだろう。



「《理解》が苦手だったみたいだけど、切断は3ヶ月で《理解》したし、日を追うごとに他の能力も扱えるようになっていったし……。2年になるときは周りとの差を詰めたというか、実技ではトップだった……気がする……」


「へえ……トップねえ……。で? お前はどうだったんだよフレイン」


「えぇ……私……?」


「嫌ならいいんだぜ? セレジアに聞くから」


 俺はセレジアに目線を送る。


「フレインさんについてですの?」


「ああ」



 フレインは恥ずかしそうな表情を見せていた。なんか可愛いじゃねえか。



「そうですね……。目立たない人ではありましたが、能力戦闘でも、非能力戦闘でも、とにかくダメージを入れることができませんでしたわ。かわされたり、逃げられたり」


「生粋の腰抜け野郎だな」


「…………」


「実地訓練では、いつの間にか作戦を遂行させる御業も多々ありまして」


「腰抜けの功名だな」


「えぇ……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=oncont_access.php?citi_cont_id=406226387&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ