表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/103

適性検査③

<1330時、イーティル軍本部棟地下施設>


 俺、ダンテ、セレジアの一行は滅多に来ることのない地下まで降りてきた。いつも薄暗くて狭くて、窓がなくてイライラする場所だ。



 施設には特殊刀適正検査の作業員、まあ案内人みたいなやつらがいる。今は能力者がちらほらしかいなくて比較的空いている。


 案内人に愛刀ゲンチアを渡す。


「大事にしろよ、傷でもつけたら刀の汚れにしてやっからな」


 挨拶を済ませて、他の奴らを見る。俺と同じようにダンテはエイロともう一本を、セレジアは2本の名前の知らない刀とネリンを渡していた。



「そういや、セレジアのその刀ってなんて名前なんだ?」


「秘密ですわ」


「んだよ、もったいつけんなよ」


 ダンテもセレジアもテクテクと施設を歩いて行った。


「読めねえ野郎だ……」





 最初の部屋


 この部屋には「能特刀」と呼ばれる刀が並べられている。刀に大きな能力が《付加》された刀は「特刀」と呼ばれる。


 《付加》された能力が「動作」であれば「力刀」と呼ばれる。俺の愛刀ゲンチアは「破壊」の能力を、アウラの愛刀アロルフィートラム・イーサーは「鎮痛」有するから力刀だ。


 《付加》された能力が「事象」であれば「能刀」と呼ばれる。ダンテのエイロは「苦」の能力を、フレインのドツ・ダラ・ヴィーラは「運」の能力を有するから二本とも能刀だ。そして二本とも大きな能力が《付加》されていることが証明されているから、「能特刀」と呼ばれる。


 ダンテのエイロはあいつが自分で打った刀だが、フレインは動術士で、刀に能力を《付加》することも、能力を《印加》(使う)こともできねえ。つまりあいつの愛刀のヴィーラはこの検査で適正があることを証明して、使うことが許されたんだ。


 なんで刀の使えねえフレインにヴィーラの使用許可が降りたかって? それは後で教えてやるよ。


 ダンテは部屋に10本くらい置かれている刀の1本の柄を握る。



「なにも感じねえ」



 部屋の大きさは30人くらいが入れる教室くらいの大きさくらい。刀は外見以外の情報はない。



「なさけねえ……どけや……」



 俺も握ってみる。



「なにも感じねえ」


「真似すんなよ」



 俺の次はセレジアが握ってみる。



「…………」



 セレジアが黙り込む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=oncont_access.php?citi_cont_id=406226387&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ