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ダンテ行方不明 ⑧


<作戦ポイント、ダンテ行方不明前>


 真っ暗な森と山。まばらな木に、急な斜面。ダンテ・インプ少尉は一定の間隔で歩を進めていた。


 通信機器は切断してあった。バッテリーの消耗を抑える目的というのもあるが、発生する雑音が耳障りというのが本当の理由だった。


 大きいバックパックを背負ったダンテは赤外線スコープで少し高い位置から辺りを観察する。


 エイシェに割と近い位置。巨大遮断結界はさらに近い位置にある。敵兵に遭遇しても何もおかしくない状況だった。ダンテはそんなことを考えていると、




 ガサっ……




 右側からの不審な物音に気づき、音を立てず姿勢を低くする。左手に持っていた赤外線スコープで物音がした方へスコープを向ける。


 エイシェの戦闘員がこちらに歩いて向かってきていた。幸運にもダンテの存在には気づいていない。


 中年男性、怖さを感じる表情を持つ戦闘員だった。腰には日本刀を持っているため、能力戦闘員だと一目で判断できる。




(ちっ……こっちに来やがる……)




 敵はダンテに気づいていなくとも、歩く方向にダンテがいる。遭遇するのも時間の問題であった。


 ダンテはスコープをしまい、右手で愛刀エイロの柄を握った。


 敵を目視で視認する。あと10m。


 敵が5mまで接近したら一瞬の居合で殺害しようとダンテは思案した。





 だが……




 敵は何かに気づき、ダンテの方向にすかさず目を向けた。さらに間髪入れずに銃撃を始めた。



「くっ……なんでばれた!」



 ダンテは《排他》で銃撃を防ぎ、敵に向かい《加速》しエイロで居合を敵に叩き込む。


 敵も《排他》でダンテの居合を防ぎ、その間で刀を抜く。


 ダンテは後方へ《加速》し、ハンドガンを左手で抜き、何発もの銃弾を敵へ浴びせた。が、すぐに、手応えを失った。敵の姿が見えない。


 ダンテは沈黙した。暗闇の中から敵の気配を探った。



「そこ!!」



 ダンテが叫ぶと同時に右後ろ後方に銃撃を浴びせる。


 だが敵は《排他》を最大限に発動しながらダンテにとてつもない速度で突進してきた。


 ダンテはとっさの判断で銃撃を止め、敵の突進を交わすと、そのままの勢いで急な坂を《加速》を使い、落ちていった。



 ダンテは落ちながら後方を振り返り、背中から坂を落ちていく。


 先いた場所から敵が同じようにダンテを追って坂を落ちてきた。



「ちっ……追って来やがる」



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