表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/103

カプサイシン 対セレジア 前編


 視聴者の皆様ごきへんよう。今日も「ジュリアブールのドッキリTV」の時間がやってきました!


 前回の再生数は17再生! そこそこだな!




 え? なんでみんな超能力を持ってるかって?


 そんなん、能力者だからに決まってんだろ。俺たちは能力を持ってるからこの軍にいるんだし、当たり前だろ。


 

 基本的な能力は、身術、動術、刀術の3つが存在する。



身術:術士自身の体を使って戦闘を行う術。つまり強化人間?


動術:術士周辺の空間を操り戦闘を行う術。つまし超能力者?(フレイン)


刀術:術士の持つ刀を用いて戦闘を行う術。つまり武具使い?(俺、ダンテ、セレジア)





 そういや、周りに身術士いねえな。もともと少ない人種だけどな。いたら何かと楽しそうだが……。






 能力のことはどうでもいいんだよ!


 それより、カプサイシンって知ってるか?


 そうだよ、唐辛子の辛味成分だ。


 ターゲットはセレジア。四大欲求作戦で、フレインに水をぶっかけ(ようとして、見事に失敗し)たが、今回も食事時を狙う。



『この番組はターゲットに人道的なドッキリを仕掛けて、それを撮影、編集し、非公式電波に乗っけて放送するという形でお送りいたします』





●今回の作戦


「セレジアがいつも買うスポーツドリンクにカプサイシンを混入させておく」


 割と、準備が大変そうだが、これも再生数ためにゃあしゃあねえ。




●準備


①怪しい痕跡が残らないようにペットボトルにカプサイシンを注入。売り場のどこからとるかわからんから、10本ほど作っとく。


 え? 俺がやるかって? やらねえよ、めんどくせえ。そこは顔見知りの何でも屋に依頼した。手作業だから一本3万だって。まあ、そんくらいなら払うが。



②食堂のおばさんに対し人道的説得術を使い、協力してもらう。


 詳細省略。かかったお金、プライスレス。





 これくらいか? じゃあ実行。もちろんダンテも一緒だ。







「おお、セレジアじゃねえか。飯か? 一緒にどうだ? あ?」



「お好きになさってください」



「じゃあ失礼すっぜ」



 セレジア、俺、ダンテは、列に並んで食べたいものをとっていく。


セレジア:野菜炒め定食

俺   :カレー

ダンテ :スパゲッティ



 そして、セレジアがいつも通り、スポーツドリンクをケースから取り出し、お盆の上に置く。そして怪しまれないように、俺もそれをとる。もちろん、カプサイシン入りだ。絶対飲まねえが。


 精算が終了し、俺たちは、空いてるテーブルを探した。



「おいジュリア、フレインいっぞ」



「どこだ? ……マジだ、行くぞ」



 フレインのいるテーブルに3人は近づいた。俺たちが10mくらいに近づいたところで、フレインはフッと気づいた。さすが危険感知能力チートのチキン野郎。



「おい、フレイン邪魔すっぞ。また隅っこで食いやがって」



「えぇ……」



 フレインの昼食はそばだった。なんか、味気ねえもんばっか食うなこいつ。


 4人揃っての昼食。周りからは異様な光景に見えるだろうか、いや、そんなことねえか。


挿絵(By みてみん)挿絵(By みてみん)挿絵(By みてみん)挿絵(By みてみん)



 4人は黙々とそれぞれの品を食べていく。俺とダンテは視線は向けないが、セレジアのペットボトルを気にしていた。当たり前だが。



(早く飲めや、このドリル野郎)






5分後……


 ついにセレジアは定食を半分ほど食べたところで、ペットボトルに手を伸ばした。



(きたあああああ!)




 セレジアは、ボトルの蓋を回す。未開封のボトルが開く音がする。せっかく30万も払ったんだ。ここで、すでに蓋が開いてる雑な仕事はありえない。



 セレジアは、ボトルに口を近づける。そうだ! 行け!



 そして…………



 セレジアは中のスポーツドリンクを飲み始めた。


 俺はダンテの方を見る。



(はい、大成功)


(おめでとさん)



 だが……。



 セレジアは、眉一つ動かさずにドリンクを飲み終えた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=oncont_access.php?citi_cont_id=406226387&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ