動く人形 中編7
フレインは気持ちがもやもやしたまま任務へ赴くことになった。
<3日後>
フレインの任務が終了。幸いにも今回はフレインが敵と戦闘することは一度もなかった。
だが、精神的に疲れているフレインは、早く部屋へ戻り、休息をとりたかったが、悩みはいまだ存在する。
フレインは緊張しつつ、自室の部屋のドアをそっと開ける。
ドアを開いた瞬間、足元に人形が落ちていた。
そんままドアを閉めるフレイン。
「……………………」
今にも気を失いそうな顔になるフレインは、その場に足元から崩れた。
「…………あ……カメラ……」
フレインは部屋からカメラを回収したいと思っても、再びドアを開けたくはなかった。増してや人形の側を歩きたくなかった。
だが、フレインは決意を決めた瞬間、ドアを少しだけ開け、動術《操作》を発動、部屋内のビデオカメラがスッと宙に浮き、そのままフレインの方へ素早く移動し、手に収まる。
そしてフレインは強い力でドアを閉めた。
そのままアウラの部屋へ直行するフレイン。歩く速度は速く、焦りが透けて見えていた。
「先輩……大丈夫ですか? 顔色悪いですよ?」
アウラがフレインを心配する。
「え……だ、大丈夫……」
アウラの部屋のモニターにカメラをつなぎ、早回しで映像を確認する。フレインもアウラも、早い速度で映される映像に、固唾を飲んで見守っている。
モニターの映像は床に落ちた人形を捉えている。早回しで確認しても、動く気配はない。
が、その時……
映像の再生が停止した。
「え……」
フレインはビデオを確認した。再生した時には気づかなかったが、映像が36時間を経過した時点で一度止まっている。そして、また録画がスタートしている。1分弱ほどの謎の空白時間があった。
「え? なんで……」
恐る恐る次の動画を再生した。
するとそこには、すでに人形の姿はなかった。ビデオカメラの裏側、先ほどフレインが見つけた扉のすぐそばへ移動したのだろう。
「せ……先輩?」
フレインはすっかり青ざめた表情で、体も震え始めていた。
「だ、大丈夫ですよ! きっといつものようにジュリアさんか、ダンテさんが何かしてるんですよ!」
アウラの慰めはフレインの耳には届かなかった。
その時だった。
ピンポーン
アウラの部屋のインターホンが鳴った。
「はーい」
アウラがフレインからそっと離れ、玄関の方へ向かい、ドアを開ける。そこに立っていたのは……
「失礼ですが、フレインさんいらっしゃいまして?」
セレジア・アンデルスタだった。




