動く人形 前編
<フレインの部屋0844時>
フレインは徹夜の任務を終了し、部屋へ戻ってきたところだ。
「はあ〜ぁ」
あくびをかくフレイン。すぐにでもベッドへ倒れこみたい気持ちを抑え、戦闘服を着替えようとする。
その時、フレインはある異変に気付いた。
「えぇ……この人形……なんでここに」
そこには、年末にジュリアが企画、実行した笑ってはいけない軍で使われたフレインの人形が床に落ちていた。
ニワトリのフードと背中から生えた羽。特徴的で忘れるわけはない。
フレインは部屋の中を見渡す。罠が張られているかもしれない。人形に仕掛けがある可能性もある。
「…………眠いのに」
フレインはそのまま部屋を出て行った。そしてアウラ・ピインの部屋で睡眠をとった。
<訓練場1614時>
「ばか、そのエイロを下ろせ!! 休憩だ休憩!」
「んだよ情けねえな!」
ジュリアとダンテはそれぞれの愛刀、ゲンチアとエイロを鞘に収め、その場へ座り込んだ。
その場へフレインが入ってくる。
「…………」
2人を見て、やっぱ自主練はやめようかなと考えるフレインだったが、聞きたいこともあり、意外にも2人に近づいて行った。
「あ? なんだフレイン珍しいな、おめえからこっちに来るなんて」
俺近づいてくるフレインに対して言った。
「まあ…………」
「フレインも加わるか?」
ダンテはエイロを抜刀しながらフレインを誘う。
「うーん……ちょっと待って。ジュリア、私の部屋になんかした?」
「あ? いつものことだろ? なんだよ」
「いや……今回のはちょっと気味が悪かったから」
「よく気づいたな! あんな仕掛け」
ジュリアはそう言うと、ダンテの方をジロリと睨み、ダンテもジュリアを睨み返した。
フレインはジュリアの言動と人形のイタズラの内容が一致しないことに疑問を覚えた。
「おいダンテ、仕事が甘えんじゃねえか」
「うるせえな! 完璧にこなしたよ!! フレインの危険察知能力が異常なだけだよ!」
「え? なんのこと!?」
「はあ? この後に及んで自分にはそんな能力ないってか!?」
ジュリアが言う。
「違うの。今回のイタズラのこと。だって、床に落ちてたから……」
「床? てか落ちるもんなのか?」
ジュリアはなんのことがわからないという表情をしている。
「んな簡単に落ちるもんじゃねえだろ! いい加減なこと言うな!」
ダンテがフレインに強く叫んだ。
「えぇ……落ちるってなに!? なんか話がこんがらがってる気がする……」
「はあ? わけわかんね」
3人は頭上に「?」を出しながら混乱した。




