水ぶっかけ 対フレイン 前編
視聴者の皆さん、どうも。軍学校中退のジュリアです。
前回の再生数は23再生でした。割とセレジア回は再生数が多い。
え? 俺たちの任務のこと? 誰が言うか! でも、俺たちイーティル国側が、エイシェ国と戦争してるってことだけは教えてやる。もちろん、俺もダンテも、フレインもセレジアもその兵士=軍人=戦闘員だ。
え? 軍学校退学したのになんで軍人なのかって? うっせーなあ……。ダンテの任務に勝手についてって、実績積んだんだよ。
ただ、お呼びがかかったのは軍とはちょっと違うところで、怪しい匂いがプンプンする部署だけどな。そこで、ダンテとペアで、非公式な任務を実行して飯を食ってる。
そんなことどうでもいいんだよ!
『この番組はターゲットに人道的なドッキリを仕掛けて、それを撮影、編集し、非公式電波に乗っけて放送するという形でお送りいたします』
今日のターゲットはフレイン。
前にも言った四大欲求を鑑みて、飯食ってる時に襲撃する作戦を考えた。
●今日の作戦
「フレインの昼飯時に同席して、隙を作り、背後から襲う」
俺が退席した時に、ダンテがフレインに対して水を(こぼして)かける。その隙に背後に立って、俺の刀「ゲンチア」で峰打する。
さすがのフレインでも水をこぼされて、消える(逃げる)ことはねえだろ。
そうなれば、早速実行!
<軍施設食堂1215時>
軍人と職員で結構混んでんな。
ここでフレインは毎日隅っこの席で昼飯を食うことは調査済み。…………いた。
「おいジュリア、そのハンバーグ定食に、旗でも刺してやろっか?」
「だーってろ、おめえこそそのコテコテの和食はなんだよ、エイシェの奴らみてえな食事すんなよ」
「ほっとけや」
ダンテと一緒に、フレインが座ってる席の対面のに座る。人がいたけど、人道的説得でどいてもらった。
「調子はどうよ、フレイン」
フレインは、俺たちを見た途端、身構えやがった。
「えぇ……。なんでここに……」
「俺だって飯くらい食うさ」
「そういうことじゃなくて……」
俺とダンテは飯を、何食わぬ顔で食う。俺は基本、フォークで飯を食う。はあ? お子様? ほざいてろ……。
フレインの昼食は、狐うどんだった。んなんで体力持つのかよ。もっと食わねえから体は細身で、胸も大きくねえんだよ……。
は? 俺? 成長中だよ!
「ダンテ、水」
「自分でとってこいよ」
「おめえの方が近えだろ。それに口拭いてこいよ、なんかついてっぞ」
ダンテは無言で立ち上がった。そして給水器で水を注ぎながら、あの紙みたいので口を拭く。フレインは終始、横目でダンテを視界に入れていた。さすがだねえ。
ダンテが戻ってきて、水を一つ自分のところにだけ置く。
「俺の分は!!」
「だれが持ってきてやるっつったよ!」
「はああ、使えねええ。おいどけろよ」
俺は立ち上がり、給水器のところへ向かう。
そう、ここまで作戦通り。え? 打ち合わせ? したよ? ダンテには「俺が退席するから、フレインに水かけて隙作れ」って言っておいたから。 は? それだけだよ。文句あんのか?
そして、俺が、フレインから5m離れたところで、ダンテは動いた。
は? 俺に質問? 見えるところに書けや。
他の奴に? 勝手にしろや。
2人にやってみたいイタズラ? いいじゃん! 待ってるわ。