テスト本番 対アウラ 後編
「おいアウラ! 手応えはどんなんだった?」
俺はそう言いながら、アウラの腰を手のひらで叩いた。
「ちょっ!! やめてください!!」
アウラはとっさに席を立ち上がった。腰を極力動かさないように動いてるせいで、変な動きになり、見てて不格好だった。
「今は痛くねえんだろ? そんなきーきーすんなよ」
俺はさらにアウラに近く。
「やっ……」
アウラはその行動を見て、腰にある刀を抜刀した。
「おいおい! なにも抜くこたあねえだろ!」
随分血の気が多い野郎だ。
「ち……違うんです! この刀の能力が『鎮痛』でして……、能力が発動してる時は痛みが和らぐんです!」
「なんだそのあぶねえ薬みたいな刀は。面白いじゃねえか、なんて名前だ?」
「……アロルフィート・ラム・イーサー」
「なげえ!! フレインのヴィーラといい、なんでこう長い名前の刀が多いんだ!」
「そんなこと言われても……自分でつけたわけじゃあ……」
「刀を抜いたってことは、ヤル気なんだろ? いいぜ!」
俺は愛刀ゲンチアを抜刀する。
「誤解です!! やめましょう!!」
「やめねえ!!」
アウラが俺にビビって後ずさる。その時……
「あっ!!」
アウラがいきなり気の抜けた声を出した。その場に硬直して、1ミリでも動いたら死ぬと言った感じで、目をぐっと閉じて、額に汗を浮かべる。
「お? 一撃食らったか?」
俺はニヤニヤしながらアウラに尋ねる。
「い……痛く……ないよ……。でも……ちょっと……具合が……悪くなってきたから……医務室……行ってくる……」
「俺は『腰痛くなった』とは言ってねえぞ?」
アウラは目をパチッと開け。『ハッ!! しまった!!』とでも言うかのような表情を作る。
そして、ゆっっっっっくりと回れ右をして、ゆっっっっっくりと歩を進めながら、アウラは廊下へ出て行った。俺が関わってるせいで、非能力の奴らは誰もアウラを手伝おうとしない。
「痛えところを襲撃しないなんて甘ちゃんだな、ジュリア」
ダンテが教室の後方から声をあげる。
「あ? まあな。さすがに可哀想だと思った。…………が、やっぱりやってみたい気持ちは出てきたから、次ちょっかいかける機会があったら、2度目の一撃を入れてやる」
テストはその後、無事終了。手応えは……まあまあかな。
アウラは戻ってこなかった。保健室テストならぬ、医務室テストだったのかな?
でもまあ、本当のターゲットはフレインとセレジアだ。どうにか、テスト本番中に何か仕掛けられたらなあ……。




