テスト……勉強……? 対フレイン 中編3
フレインは一度教材を取りに行くのに、部屋へ戻り、5分後に戻ってきた。
(俺の)気分を変えるためにセレジアがデスクの方、フレインがテーブルの方で勉強する。
まだ、カフェインが切れないせいで、集中も切れない切れない。フレインは自分から喋る方じゃないし、セレジアもカフェインが入ってる。3人は黙々とテスト勉強に没頭した。
基礎教養で出てくる大量の単語が頭に入っていく。抜けていく気もしない。ダンテが仕込んだカフェインは、一応勉強の役には立ってるみたいだ。
<2時間後>
フレインが合流してからすでに2時間が経った。
「はっ! もう2時間経ったのか……早いな……」
「思ってたより真面目な勉強会で安心した」
フレインが生意気なことを言う。
「んだよ。俺が他人の勉強の邪魔なんてするわけねえだろ?」
「……………………」
「……………………」
2人の沈黙にイラっとしたが、まあ流してやろう。
「フレインはなんか苦手な教科ってあるのか?」
「…………これといってないかな」
「なんだよ、優等生ちゃんかよ」
「えぇ……」
「セレジア、軍学校のときのフレインの成績ってどんな感じだったんだ?」
「あまり覚えてまいせんけど、いつも上位にいたと記憶してます」
「本当に優等生ちゃんだな」
「その言い方やめてよ……」
「3つの教科の中で一番得意なのは?」
「うーん……生存知識かな」
「やっぱりな」
「だれでも……死にたくはないし……。自分で言うのもなんだけど……教科書の内容もそれ以外の内容も調べた」
「それ以外?」
「生存につながる知識なら。例えばKYT(危険予知トレーニング)とか、リスク回避術とか……。ない本は現実世界から取り寄せたりした」
「そりゃまた難儀な」
「おかげで、こうして誰かさんからの理由のない殺意を一応回避できてるし……役立ってないわけじゃないかな」
「失礼なやつだ。理由もあるし、殺意はねえよ」
「えぇ……あれで?」
「これで」
「…………」
フレインは沈黙した。
「てか、お前の危険予知能力はなんか知識から来るもんじゃねえだろ! こう何ていうか、本能的……第六感的なやつだよ!! じゃねえといろいろ説明つかねえよ」
「自分でも知識だけじゃないと思うよ。学校の時に結構厳しい指導を受けたし……そのおかげも大きいと思う」
「訓練で片付けられるレベルでもねえ気が…………お前本当は身術も持ってて、無意識に《知覚》使ってるんじゃねえの?」