テスト……勉強……? 対セレジア 中編4
ダンテはそのままテーブルにカップ二つとミルク、砂糖をおいた。
「特製コーヒーだ。これで集中できるぞ」
ダンテはデスクに戻った。俺もテーブルに戻った。
「で? このコーヒーに何入れた?」
「何が入ってると思う?」
一見普通のコーヒー。匂いも、温度も、色も、粘度も異常はない。
「わたくしは安全が保障されるまで飲みませんわ」
セレジアはすぐに飲むのを拒否。ダンテは自分のコーヒーをすでに飲み始めていた。
「…………ダンテのコーヒーだけ何も入ってない可能性もあるが……」
性分なのかな……。俺はほんの少しコーヒーを飲む。
「にげえ……」
確かに苦かったが、それだけだった。まあ、ブラックで飲んだら苦いわな……。
ミルクと砂糖を多めに加え、また飲む。
「……………………」
何も異常はない。
「また何もないのに、ある風に装ったか?」
「ご名答」
俺とセレジアは勉強にもどった。
<10分後>
「失礼しますわ」
セレジアは立ち上がり、トイレの方へ向かう。
「お? クソか? ごゆっくり」
「はしたないですわ」
セレジアはトイレに入り、扉を閉めた。
俺はすかさず、どこからともかくあるものを取り出す。
20cm四方の柔らかいクッションのようなもの。
●今日の作戦
「セレジアにブーブークッションを仕掛ける」
遅くなったな!! 視聴者の諸君!! これが今日の作戦だ!!!
この薄型のブーブークッションは、通常のクッションの下に入れても違和感のない高性能の品!!
俺は静かに、セレジアが座っていた座布団の下にブーブークッションをセットする。
ダンテの「何やってんだか……」な視線を感じる。
「うるせえ、黙ってろよ?」と視線で返す。
セレジアがトイレから戻って来た。
そっと、座布団の手前でかがみ、膝を乗せた。