4人で年越し 中編
「まだ、玄関直ってませんの?」
セレジアも来た。
「どいつもこいつも玄関誰のせいだと思ってんだよ!! おお、セレジアも似合ってるじゃねえか!!」
「ありがとうございます」
「胸ない奴は着物が似合うとはいうが……、俺は似合わなくても胸の主張が激しい着物姿の方が好きだ」
「…………、私たちを着せ替え人形とでも?」
「そうだよ!! だからどうした!!」
「…………」「…………」
フレインも、セレジアも黙った。
「ジュリアさんは、正装は致しませんの?」
「俺? 俺はいいよ……。日本の正装なんて、エイシェのやつらみてえじゃねえか」
「他人には着せるのですね……」
「どうしても来て欲しいなら…………あれ? 干支ってなんだっけ?」
<ジュリアの部屋15分後>
フレインが台所、セレジアがテーブル近くにいた。
「あれ? あいつは?」
ダンテがジュリアの部屋に来た。
「着替えに行かれまして。干支がうんたらと言ってまして」
「…………ああ、なるほど……。あ? 来たんじゃねえか?」
3人は扉のない部屋の玄関に視線を向けた。
「おまたせ」
「…………」「…………」「…………ああ、馬か」
「笑えよ!! そしたら『デデーン』してやっから!! そういや、ダンテも正装が必要なんじゃねえか?」
「俺がか? する気はねえぞ。あるとも思えんが」
「……その金髪に着物は似合わんか……でも着ろ!! 2人の着付けやったんだから自分でも着れるだろ?」
……ということで
「うーん……まあまあかな。胸がある分俺は好きだぜ」
「うれしくねえな」
「じゃあ、ダンテとフレインは料理よろしく」
俺はダンテに襷を投げつける。それをダンテは片手でキャッチする。