絶対に笑ってはいけない軍 あの放送
<セレジアの部屋1256時>
セレジアは任務後の疲れをとるためにベッドで横になり、仮眠をとっていた。
するといきなり部屋のスピーカーから空の音が流れてきた。
「……」
違和感に気づき目を覚ますセレジア。
「今夜が山田」
スピーカーから聞こえてきたのは男の声。すこし外国訛りが入った様な日本語だった。
「今夜が山田」
「今夜が山田!!」
「今夜が や ま だ」
セレジアはその放送を聞いても表情が変わることはなかった。
「今夜が! やーまーだー」
「今夜が? やまだ?」
「今夜が、やーーまーーだぁ……」
「今夜が山田?」
「♪♪♪ 今夜が山田〜」
ある有名なアニメのOPメロディが流れてからの今夜が山田……。
セレジアはクスリとも笑わなかった。
「今夜が やまだ……やまだ……やまだ……」
エコーがかかった今夜が山田。
「今夜が やまだ……やまだ……やまだ……」
「デデーン。セレジア、アウト」
「別に笑っていませんわ!」
セレジアはいつもよりちょっと強めに言った。
ドアをガチャガチャと開ける。
「開けられまして?」
すると、ジュリアは難なくドアの鍵を開錠し、部屋の中に入ってきた。
「どうだ!!」
「やってくれますわね……」
セレジアは抜刀した。
2人は再び、形式的な威嚇を少しだけ行い、ジュリアが去っていくという形で、戦闘(?)は終了した。
「何がしたいんですの……?」
<フレインの部屋1308時>
フレインは運んだ荷物を整理していた。その時……
「今夜が山田」
という放送が流れ始めた。またビクッとなるフレイン。
「びっくりした……。てかこれ……寝てるときに流れるものでしょ?」
放送はフレインの反応に関係なく続いた。
「今夜が山田!!」
「今夜が や ま だ」
「今夜が! やーまーだー」
「今夜が? やまだ?」
「今夜が、やーーまーーだぁ……」
「今夜が山田?」
「♪♪♪ 今夜が山田〜♪」
ある有名なアニメのOPメロディが流れてからの今夜が山田……。
フレインは笑いを堪えてるほどではないが、少しだけ放送を面白がっていた。
「今夜が やまだ……やまだ……やまだ……」
エコーがかかった今夜が山田がかかってもフレインは笑わなかった。
「デデーン。フレイン、アウト」
ジュリアの声がスピーカーから聞こえてくる。
「え!? 笑ってないよ!! 判定厳しすぎない!?」
ドアノブがガチャガチャとひねる音がする。ジュリアは部屋に入ってこれないらしい。
「…………」
だが、フレインは油断しなかった。それは、先ほど感じた嫌な予感があったからだ。
その時、ドアが開錠され、開いた。
「やっぱり!!」
フレインは抜刀する。
「ケツ叩かせろ!!」
「えぇ……」
フレインとジュリアはまた、牽制しあうだけして、ジュリアが帰って行った。
「えぇ…………」