フレインの部屋が燃えたから 対フレイン 前編
●今回の作戦
「フレインが寝てる時に襲撃する2」
今回は睡眠薬でもなんでもねえ。一緒の部屋にいるんだから、普通に寝てる時に襲えばいい。
襲撃方法は何がいいかな……。無傷で有名なフレインだから、どうにか怪我をさせたいが……。寝てる時に刀ぶっさすのは……なんか違う? ガチで軍にも怒られそうだし……。
別に軍が怖いってわけじゃねえぞ!! 睨まれたら色々めんどくさいからだよ!! てかもうすでに睨まれてるし……。
じゃあ、鉛筆でも使って思い切りデコピンってのはどうだ? なんか現実世界だと「デコペン」とか言われてるみたいだが、そんなんで、フレインのデコを赤くさせるか、内出血でも作らせればOKだな。
<兵舎棟の食堂2109時>
俺とダンテとフレインは軍施設の食堂に来ていた。
各々食事を取りながら、喋っていた。
「おいジュリア、布団とかあんのか?」
「余分な分はねえ。フレイン、寝袋くらいあんだろ?」
「うん……ある」
「んなことより、泊めてやるんだから、フレインの手料理が食べたかったな!!」
「仕方ないじゃん……。料理の道具が割と燃えちゃったし、部屋の台所が使える状態じゃないし……」
「まあ、こいつは料理するタマじゃねえしな」
「うるせえな! 料理できるのが『女子力』とか言うのか? くだらねえ。ダンテこそ料理できんのかよ!」
「何言ってんだ。調理師の免許持ってんだぞ」
「えぇ……すごい……」
「あれ? そうだっけ……? フレインは持ってねえのかよ」
「持ってない。趣味で創作料理やってるだけだもん。料理でお金を稼いだことはない……。資格はほとんど現実世界の免許と変わらないんでしょ? 実務経験が2年は必要なはずだけど……」
「そのとおり。軍学校の時にな。2年なんてあっという間だったよ」
「なんだよ。でもダンテの料理してる姿なんて見たことねえぞ」
「当たり前だろ。料理することが好きなわけじゃねえからな。めんどくせえし」
「えぇ……なんで免許取ったの……」
「んなことよりダンテ。ちょっと頼みたいことがあるんだが……」
「なんだ?」
フレインが怪訝な顔をした。
「……………………」
<ジュリアの部屋2330時>
「じゃあ、寝っから!! おやすみ」
「……おやすみ」
「おめえは寝ねえのか?」
「もう少ししてから……」
「いいが……電気は消すぞ」
「うん……」
まだ怪しがってるな……このチキン野郎。寝袋も俺のベッドから極力遠いところに寝かせてるし……。まあいい、眠るまでとことん待ってやる。
すでにイミナ(覚醒薬物TMX-137)を接種済みだ。もう目が冴えて冴えて眠れる気がしねえ。これで寝たふりをしながらフレインが眠るのを待つ。
が、しかし…………