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フレインとセレジアが来る! スペシャル 後編


「やっと出てきやがった……」


 

 フレインとセレジアは脱衣所へ戻ってきやがった。結局あれから20分くらいかかった。

やる気あんのかよこの二人。


 俺もダンテも待ちくびれて、ダンテはベッドに寝っ転がった。おいおい、番組はスペシャルだぞ? こんなことでいいのかよ。と言いながら俺もスマホをいじってた。


 フレインとセレジアは体を拭き、下着をつけ、髪を乾かす。



「んなのいいから早く来いや!」



「セレジアが一緒にいるところを見るとあいつも加勢するんじゃねえ?」



 と、ダンテが言った。



「どっちでもいいや」



 この狭い状況なら攻撃側が一人でも二入でも、防衛側の有利には変わらねえ。


 脱衣所の二人は戦闘服に着替え終わる。ダンテの予想通り、俺たちが奪おうとしたセレジアの刀はフレインが持ってる。セレジアの「ネリン」とかいう刀は見かけない。また《内包》で体の中に入れたんか。


 そして二人は脱衣所を出た。



「ダンテ、そろそろ来るぞ」



「どうせまだかかる」



「いいから起きろや」










5分後……




「まじで遅えな! ここら辺カットだ! カット!!」



「だから言ったろ」



 その時、インターフォンが鳴った。



「来た!!」



 俺はインターフォンのモニターを確認した。フレインが扉の前にいた。



「…………あのー、刀取りに来たんだけど…………」



「よく来たな。遅えんだよ……」



「えぇ……」



 セレジアの姿は見えない。どこかに隠れてるのか?


 俺は扉の鍵を開けに向かう。いつ戦闘が始まるかわからない。俺もダンテも刀を抜刀した。ダンテは部屋の奥側で床に刺さった「ドツ・ダラ・ヴィーラ」の近くに陣取ってる。


 俺は、ゆっくり扉に近づき、カギのつまみをまわした。









 その時だった。


 後方から ガッシャアアアン とガラスが割れる音が鳴った。物凄い音にビクッとなる俺。窓から侵入してきたのはセレジアだ。



「てめえ! 敷金!! ガラス割りやがって!! それでも人間か!!」



 セレジアが侵入してきたと同時に、俺の目の前のドアがフレインによって引き剥がされる。フレインは動術の《加速》をドアに使い、思い切り廊下側へ吹き飛ばした。


 俺とフレインの戦闘、ダンテとセレジアの戦闘が始まった。



「おいフレイン!! 鍵開いてたんだぞ!! どういつもこいつも他人の敷金考えろや!!」



「えぇ……」



 俺の刀とフレインの刀は鍔迫り合いになった。ダンテとセレジアの方からは刀同士がぶつかりあう音が聞こえた。











ダンテVSセレジア側



 窓を割って現れたセレジアは一瞬で左手から刀「ネリン」を出現させ、ダンテに切り掛かった。


 狭い部屋内で刀と刀が何度も衝突する。


 セレジアは何故か右目をつぶっていた。



「なんだ? 目にガラスでも入ったか?」



「そう思いまして?」



 不敵に笑うセレジア。その姿にダンテは嫌な予感を感じた。



「…………まさか!!」



 ダンテは気がついた。だが少しだけ反応が遅かった。


 セレジアはいきなり「ネリン」を投げた。狙ったのは部屋の天井……否、蛍光灯だった。


 一瞬で部屋が暗くなる。が、部屋の扉側にも照明が存在した。だから、真っ暗にはなっていない。戦闘に支障はなかった。




 だが、一発の銃声とともにもう一つの照明も破壊された。


 部屋の中がほぼ真っ暗になる。その変化にダンテは対処できなかった。だが、セレジアは暗闇に慣れた右目を開けることで、その状況に対応した。



 刀を失ったセレジアだが、ダンテに接近する。そして、刀を握るダンテの手と戦闘服のベルトを掴み上げ、素早く足を払うと、ダンテは床に組み伏せられた。


 そして、セレジアはダンテの刀をもぎ取り、さらに投げたネリンと、床に刺さったドツ・ダラ・ヴィーラ、計3本の刀を手にし、素早く窓から外へ身を投げ出した。 

 










 ジュリアVSフレイン側


 フレインはいきなり、銃を手にして俺の後方を銃撃した。最初はダンテを狙ったものかと思ったが、その瞬間部屋の中が真っ暗になり、それが目的だとわかった。


 フレインはすぐに銃を捨て、俺と戦闘になったが、20秒もすると、廊下に出て、いなくなった。



「…………」




 振り返ると、床から起き上がる手ぶらのダンテ、蛍光灯が割られ、窓も割られた部屋。

扉もなくなり、ものすごく風通しのいい。





「……………………視聴者のみなさん……楽しんでいただけたでしょうか? 今日のスペシャルはこれまで! また次の放送で!! ……………………くっっっそ!!!!」



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