フレインとセレジアが来る! スペシャル 前編
視聴者の皆さん! こんばんは! 今回は緊急企画! 「フレインとセレジアが来る! スペシャル」でお送りします!!
さあ、来いよフレイン!! 返り討ちにしてやる! いくらお前がセレジアの刀を借りたとしても、俺たちに勝てるもんか! いつもはお前が逃げて終了=俺たちの負けだが、今回はそれがねえ!! つまりガチンコ勝負だ!!
『この番組はターゲットに人道的なドッキリを仕掛けて、それを撮影、編集し、非公式電波に乗っけて放送するという形でお送りいたします』
「おいダンテ、準備できてっか!!」
「愚問だ!」
「ヴィーラは?」
「俺の腰にさしてる」
「まあいいか。なんか、部屋に固定させとけば、『防衛』って感じして楽しそうだと思ったが……」
「じゃあ、刀らしくこれでどうよ」
ダンテはドツ・ダラ・ヴィーラを抜刀すると、思い切り床に刺した。
「敷金!!!! てめえええ!! 俺の部屋になんてことしやがる!!」
「あははははは!!! 傑作だ!!! 腹痛え!!」
ダンテが思い切り笑いやがる。
「ぜってえ原状回復費を請求してやる……」
「お安いな!」
「んなことより、フレイン遅えな」
「着替えてるんだろ。もうちょい待てや」
5分後……
痺れを切らす俺。
「来ねえじゃねえか!! どこほっつき歩いてる! あの野郎!!」
「あのカメラ見りゃいいんじゃねえ?」
「あ、そっか」
俺は脱衣所を覗いていた遠隔カメラの映像を確認する。
フレインの姿はなかった。
「いねえじゃねえか!!」
「服がまだカゴにあるな……。風呂に戻ったなあいつ……」
「おい、今日はスペシャルなんだぞ!! 主役来なくて番組ができるか!!」
<同刻、共用浴場>
フレインとセレジアは浴場の湯船に肩まで浸かっていた。
「いいの……? こんなことしてて……」
「わたくしは髪を洗ってる途中でしたので。それに、体を冷ましたらまた風邪をひいてしまいます」
「まあ……。セレジアの風邪長引いてたもんね……。結構きつかった?」
「ええ……」
のんびり風呂入ってんじゃねえよ!!