刀奪い 対フレイン 後編
セレジアVSフレイン
木刀を持った二人が戦闘を始める。妙にセレジアに気合が入ってるな……。逆にフレインはなんかやりづらそうだ。
セレジアは連続して流れるような斬撃を繰り出していくが、フレインは防御、躱し、いなしで対処していく。
それが結構続いた。2分くらいか? 2分って……結構長いぞ? 油断すれば一瞬でも集中力は切れちまう。そしてその一瞬は絶対致命的なミスになる。
その時だった。フレインがセレジアの一瞬の隙を見て、ふところへさっと入り込み、背負い投げをかけた。
しかし、セレジアはそれを予期していたかのように、姿勢が低くなったフレインを背中側から押しつぶすように体重をかけた。
さらに間髪入れず、セレジアは刀を手放し、右腕をフレインの首元へかける。チョークスリーパー、つまり首締めになった。
フレインがセレジアの腕を軽く叩く。「まいった、まいった」の合図だ。
フレインとセレジアの勝負はセレジアの勝ち。やっぱ純粋な剣術? 体術?ならセレジアの方が上か。能力戦も見てみたいが……。
そんなことより、セレジアのやつ一本背負いを予期してたのか? わざと隙を作って誘ったのか?まあ、良い映像が撮れた。至極貴重なシーンだ。
そしてしばらく5人は相手を取っ替え引っ替えで、練習をした。
フレインと俺は比較的試合を見てる方が多かったかも。あと、2対2でも練習をしてみたが、圧倒的に俺とダンテのペアが勝ってた。フレインとセレジアのペア相手でもだ。
そして…………
フレイン……
油断したな…………
すっかり………………
腰元が……………………
お留守だぜ!!!
俺は練習中のフレインに対して《加速》を使って急接近。俺がフレインの刀を掴むのと、フレインが気づくのが同時だった。
フレインがとっさに《排他》しても、もう遅かった。一本の刀を介して、俺とフレインが綱引きしてるみたいな形になった。
力は拮抗している。
「ダンテ!」
言うよりも早く、ダンテはフレインの背後に立ち、抜刀した刀「エイロ」でフレインに斬撃を振り下ろす。
フレインは刀を握りながら体勢を素早く変え、斬撃をかわすが、ダンテはフレインの腰元の鞘を固定してる部分を斬った。
そして、フレインは刀を離し、《加速》して、消え去った。
「フレイン!! 必ず取りに来い!! 待ってるぞ!!」
俺は叫ぶようにフレインに言った。多分聞こえてるだろう。
「何してますの?」
セレジアも呆れた顔をしている。アウラは状況が理解できないみたいでオロオロしてる。
さあ、ドッキリの特別編「フレインの刀奪還作戦」が楽しみだ…………。




