風邪ひかせ 対???? 中編
セレジアは体を洗いに行った。
フレインは俺とダンテではさみ込む形にして、逃がさないようにしている。
いつ《加速》で逃げられるかわかったもんじゃねえ。まあでも、風呂場で能力を使うのはマナー違反だから、フレインもそうそう簡単に動術を発動できないが。
俺? そんなマナー知ったこっちゃねえよ。《加速》されたなら《加速》で追う! 当たり前じゃねえか。
セレジアが体を洗ってこっち来るまで時間でも稼ぐか。来たら、セレジアも巻き込んで水風呂作戦よ。
「フレインよお、なに恥ずかしがって体隠してんだよ! もっと堂々としろよ!」
「えぇ……」
「どこのおっさんだよ」
「ダンテだって、そのでけえ胸見せろよ! 視聴者のみなさんが見たいとおっしゃってるぞ!」
「とんだセクハラ野郎だな。モザイクはちゃんとかけるんだろうな」
ダンテはそう言うも、別に胸を隠したりはしてない。直視しなくてもわかるこのボリューム。ほんとたまんねえな!
「それに比べてフレインのは……」
フレインに話をもどす。フレインの体は全体的に細身で、スラリとしてる。胸は…………大きくはないくらい。
「……見ないでください…………」
「いいだろ、減るもんじゃねえし」
「減るよ…………」
「まあ、ジュリアよりはあるからいんじゃねえの」
ダンテが余計なことを言い出してきやがった。
「うるせえ! 成長中だって言ってんだろ!」
「何を持って成長中って言ってんだ? もう成長が止まってるかもしれねえだろうが」
「いいや成長してるね!! 触った感じでわかるぞ!! 余裕でわかる!!」
「触ってるのか……」
「……………………触るもんだろ!!! おめえは触んねえのか!? あ? フレインは!! 自分の胸くらい触るだろ!!」
「別に。ブラつける時くらいだろ」
「…………私も」
「…………そっか……………………」
「じゃあ、そろそろ……」
フレインが風呂からあがろうとするそぶりを見せた。
「待てよ、フレイン。水風呂勝負がまだだぞ」
俺はフレインの正面に回り込み、進路をふさいだ。
「えぇ……本当にやるの……?」
「やるっつってんだろ!! そうだ、フレイン。お前、兵舎棟の裏庭にトマト植えてるそうじゃねえか」
「なんでそれを…………」
「もう真っ赤な実をつけてんじゃねえか」
「……………………」
「せっかく育てたのに、枯らしたくないよな? 掘り起こされたくないよな? 燃やされたくないよなあ?」
「……………………」
その時、セレジアが体を洗い終わって、湯船の方へ来た。
「おうセレジア、四人で水風呂対決しようぜ! おめえが勝ったらフレインが今度手合わせしてくれるって!!」
「ほんとですの? よろしくてよ」
あっさり乗るセレジア。あいつ、フレインと戦いたがってるのはしってるから、チョロいもんだぜ。
「行くぞ、フレイン」
「えぇ…………えぇ…………」
かくして四人は水風呂へ。
あ? 挿絵がないって? うるせえ!
美女四人が裸なんだぞ! 超サービスシーンじゃねえか!! てめえの脳内妄想で補いやがれ!!