風邪ひかせ 対???? 前編
画面の前の皆さん、こんにちは。「ジュリア・ブールのドッキリTV」の時間がやってきました。
前回の再生数は15再生。過去編(?)だったためかあまりウケねえな……。
さて、今回のターゲットはフレイン…………だったんだけど……まあ、後でわかるから、黙って見てろ。
フレインもセレジアも、結局のところ「強い」んだよ。いろいろと。だから、四大欲求作戦は一度忘れて、体力を減らして、減ったところで追い詰める作戦を試してみる。
前々回? フレインの現実世界帰りを急襲したのも似た感じだが、根本的な体力、気力は減ってなかったしなあ。逆に俺たちが弱ってたわ……。
『この番組はターゲットに人道的なドッキリを仕掛けて、それを撮影、編集し、非公式電波に乗っけて放送するという形でお送りいたします』
●今回の作戦
「風邪をひかせて、弱ったところを襲撃する」
風邪をひかせる方法だが、入浴時を考える。
軍施設として共用浴場ってのがあるんだが、フレインはそれを利用しない。部屋の風呂をいつも使ってやがる。
どうにか、共用浴場を使わせて、そこで水風呂につからせる。そして、体を冷やしたまま上がらせれば、風邪を引くリスクは高まる。
風邪をひかせれば、ダンテと二人で襲撃して、傷の一つや、二つつけれるだろ。
●準備
フレインの部屋の風呂場を使えなくする。
爆弾仕掛けるのもいいが、それはそれで一つの作戦みたいに手間がかかるから、ガスと水道を止めちまう。
ダンテに依頼。50万かかった。高えよ。
あとはフレインが共用浴場に来るのを待つだけよ。
<フレインの部屋のシャワールーム1809時>
「あれ?…………あれ?…………えぇ…………」
つまみを回しても水がでない。
すでに裸なフレインはシャワールームでいろいろ試してみるが、効果なし。仕方なく部屋に戻り、服を着なおして、部屋の外の水道、ガスの元栓を確認するも、異常は観られなかった。
フレインは仕方なく、設備課に連絡をする。ただし、確認してくれるのは翌日となった。
今日の入浴をするために、フレインは仕方なく、共用の浴場を使うことにした。
<同刻共用浴場近く>
お、来やがった。
フレインが浴場に入っていくのを遠くから確認する俺とダンテ。もちろんお風呂セットも持参済み。
「作戦開始! 突入!」
俺とダンテはバスタオルを巻き、浴場へ入っていく。すぐ前にフレインを確認した。掛け湯してやがる。
「おお、フレイン、奇遇だな」
「えぇ……、なんでここに……」
「髪短けえやつはいいよな、まとめる必要がなくて!」
「一応留めてはいるけど……」
俺と、ダンテとフレインは並んで体や髪を洗う。 横目でフレインを観てたが、やっぱり俺たちを警戒していて、ビクビクしてた。
そして、3人は体を洗い終わると、でけえ湯船に浸かる。フレインはでっけえ湯船の隅っこで小さく丸まってやがった。
「おい、フレイン、こっちこいよ!」
「えぇ……いいよ……」
遠慮という名の否定をしやがるフレイン。
「んなこと言うなよ、水風呂一緒に入ろうぜ! どっちが長く入れるか勝負だ!」
「遠慮しておきます……」
その時、浴場の入り口が開いた。
「おいジュリア、セレジアだ」
「まじか!」
セレジアが浴場に入ってきた。バスタオルを体に巻いて、豊満なバストを隠してる。
「あら、お二人さんと、フレインさんも。ごきげんよう」
「ごきげんようセレジア、おめえも一緒に入ろうぜ」
セレジアを誘う俺。
そして、俺とダンテはアイコンタクトで会話する。
俺 (作戦変更! セレジアも巻き込む!)
ダンテ(おいおい、大丈夫かよ)
俺 (フレインを水風呂に浸けるために、セレジアを利用する。あとはわかるな?)
ダンテ(なんとなく了解)