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トイレ襲撃 対フレイン ①

<セレジア襲撃後、ジュリアの部屋>



「できねえだと!? なんとかしろや!! どんだけ高い金出してると思ってんだ!!」



 そう言うと、スマホの向こう側から男の声が聞こえてくる。



「無理やり作ったオーダーメイドだから修理が不可能って言ってるんです。新しく作ったほうがコストも時間もかからない。あそこからの復元はコストも時間もかかる上に労力が割に合わなすぎる」



 生意気なことをいいやがる……。



「屁理屈言うなや! じゃあ新品でいいから安くしろ」


「それはできません。どちらかといえば高くしたいくらいですよ」


「複数作って原価を下げろ」


「私がマシンなら可能ですね。HAHAHA」


「なに笑ってんねん」





 結局もう1個同じものを新規に作ってもらうことになった。


 それが届いたのはちょうど1週間後になった。







<1222時、食堂>


 俺は食堂で食事を完了させたところだった。もちろんいつものように新品のカメラを耳につけている。ここ1週間はつけていない状態で、セレジアやフレインたちとは関わらなかった。撮影ができない状態で面白いことが起きるのももったいねえ話だからな。


 待つだけの1週間は割と忙しい任務もあり、好都合っちゃ好都合だった。



 食堂から廊下へ出た。その時誰かの気配を感じた。



「……フレインの気配がするな」



 食堂は時間も時間だから人は多い方だった。その中でフレインの気配を感じるのは初めてだったかものしれん。



「姿が見えねえのは先に姿を見られて隠れられたからか?」



 俺はフレインの探索を開始した。


 廊下の曲がり角、窓からの景色、食堂の中……だがチキン野郎の「チ」の字もなかった。



 そして、目につくのが……便所だった。



「なんかデジャブだな。この前のセレジアとの戦闘を思い出す」



 俺は迷わず女性トイレの扉を開け放った。洗面台にいる職員は俺の顔を見るとすぐに、トイレを立ち去った。



 窓はなし。人もぱっと見は見えない。……が一番奥の個室の扉が閉まっていた。



 コンコン



 ノックする。



 ……



 ……




 返事はなかったが、フレインの気配を強く感じた。



「おい、フレイン。いるんだろ?」



 ……



 ……




 返事はない。



「いねえなら仕方ねえな……」



 俺はゆっくりゲンチアを抜刀した。



「そんなわけないだろ!!」



 俺は声高らかに叫びながら、ゲンチアを個室のドアに刺す。



「ですよね……」



 フレインの声がした瞬間、個室のドアが開かれた。ゲンチアが扉に刺さる前にフレインの愛刀のドツ・ダラ・ヴィーラがはじき返した。


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