現実世界帰り襲撃 対フレイン 前編
視聴者の皆様ごきげんよう。今日も「ジュリア・ブールのドッキリTV」を見てくださりありがとうございます。
前回の再生数は50再生。セレジアの火照り顔が撮れるドッキリプチ成功と、司会者が火を吹くのが大変好評でした……………………。
今回はフレインがターゲットだ。
え? フレインの実力? 大したことねえよ。ただの危険察知能力チートのチキン野郎だろ…………という冗談は置いといて、相当できる野郎ってのは確かだな。
危険察知能力はいいとして、あいつの強い要因は、能力の使い方が大きい。意外なことに、フレインも、セレジアもだが、能力値が強いわけじゃねんだ。
フレインは動術士だから、使える能力は以下の7つ。
《加速》自分の体や物を加速させる
《固定》自分の体や物を固定させる
《排他》バリアのような空間を作り、攻撃から身を守る
《侵食》他人の守りに侵入し、攻撃を通す
《圧縮》空間の一部を圧縮する
《膨張》空間の一部を膨張させる
《操作》周りの、物体、能力、事柄を自由に操作する
まあ、あまり使われない能力もある。戦闘に絶対必要なのは、《加速》と《排他》かな。あと、攻撃の手段である《侵食》も。
え? なんで俺、ダンテ、セレジアが《排他》《加速》を使ってるかって? そりゃ今度な。
フレインも、《加速》《排他》《侵食》の能力を主体として戦闘するが、必要のない時には力を使わず、ここぞという時に力を集中させる。逃げる時のための力を常に考え、そして、敵の次の手を読む。
これがあいつが強い所以だ。あとは、危険察知能力のおかげで、「絶対帰還する兵士」となるわけだ。そこを買われて、救出作戦、回収作戦、(近場の)潜入作戦、しんがり、などに駆り出されることが多いらしい。
最強の兵士っては死なない兵士って言うし、そういう意味でも最強? ただ、何度か見たことがあるが、フレインが逃げるために、本気で敵を攻撃する時は……もう、説明できねえくらいつええ。
こんな顔だけどなw
当の本人は軍をやめたいだの、戦いたくないだのほざいてるが。
そんなフレインだが、今回は「現実世界」へ駆り出されるらしい。 え? 現実世界って? お前らがいる世界のことだよ!
『この番組はターゲットに人道的なドッキリを仕掛けて、それを撮影、編集し、非公式電波に乗っけて放送するという形でお送りいたします』
<兵舎棟のどこか1600時>
「おいジュリア、フレインのやつ現実世界に行くらしいぜ」
「ほう、セレジアとフレインはやっぱ多いな。能力の強さに頼るような奴らじゃねえからな」
俺たち能力者が現実世界に行くと、能力がガクッと落ちる。だから、能力値が高い奴らじゃなくて、ちゃんと戦う知恵と技術を持った奴らが出張する。
ここの世界に戻ってきたら、能力は戻るが、時間差があって、数十分から、数時間能力が戻らないことなんてザラ。
……………………まてよ?
「お、ひらめいた。こっちに戻ってくる時に襲撃っていいなじゃね!?」
「その作戦のった」
「フレインのが作戦から帰還する詳細な時間、覗けるか?」
「100万」
ぼったくり何でも屋め……
「…………買……った……」
「まいど」
●今回の作戦
「現実世界に行ったフレインの帰還時、能力が落ちてるところを襲撃」
●準備
軍の機密にアクセスして、フレインの帰還時刻を調べ上げる。
「ジュリア、わかったぞ、14日の2100時頃に、シャール基地に帰還だそうだ。転移ポイントとも近えし、基地に戻ってくる頃に能力が戻ってることは無さそうだ」
「14日の夜……………………俺たち任務入ってね?」
「正確には14日の2000時までな。ちなみに徹夜明けだぞ」
「はあああああああ?????」
なんでこう、タイミングが悪いんだよ!!
「どうすんだ?」
「……………………ちゃっちゃと任務終わらせてシャールに行きゃいいんだろ!! やってやらあ!」
また一つブクマが増えた。あっがとさん。これならフレインも倒せそうだ(フラグ)