勉強しました。
「ようこそ。神の世界へ。」
気を取り直したマレナは仕事を再開する。
「えーと、何がどうなってんだこれは?」
青年はまだ何が起きているのか分からず困惑していた。
「貴方は死んだのですよ。北島裕斗君。」
「え、俺新藤ですけど?」
マレナはピクリとする。
「…少々待つが良い。」
マレナはそう言ってスマホのような物を取り出す。
「あのーすいません。伝票の人と違うんですけど。は?間違えてた?じゃあそん時言えよ!忙しい?こっちもそれで忙しくなんだよ!?そっちの事情は知らねーよ!?あ、切りやがった…。」
マレナがふざけんなよ…とか色々呟いてると紙が目の前に現れる。
「えーと…新藤 隆司…死因 交通事故…了解、もう一度電話しなきゃね。」
マレナは再びスマホのようなものを耳に当てる。
「えーと、伝票間違いだったっぽいんで転生書類作り直して。え、あっちの神にもう話付けちゃった?ちょっと待ってよ。それは私のせいじゃないでしょ。文句なら管理課の方に言ってよ。あーじゃあ切るわねバイバーイ。」
そう言ってマレナはスマホのようなものを消した。
「さて、待たせたな人間。我の名はマレナだ。」
「いや今更大物ぶられても…。」
マレナは赤面した。
「名前間違えるのはテンプレなのだろうか?」
デルリアは本気で考え始めた。
「つまり貴方はここで死ぬ存在では無かったのです。だから今霊会には貴方の居場所が無いのです。」
「そんな!?じゃあどうすればいいのですか!?」
新藤はショックを受ける。
「大丈夫です。そこで君には異世界転生をしてもらうんですからね。」
「異世界…転生?」
「はい。別の世界でもう一度生まれそこで人生をもう一度やり直すんです。といっても年齢はそのままですがね。」
「それ転送なんじゃ…。」
「姿は変わるので転生です。」
「え、でも魂は」
「転生です。」
マレナはニコニコして答える。
「あ、はい。」
「まー心配はいらないですよ。貴方が飛ぶのは剣と魔法の世界。わくわくの冒険ができるのですよ。」
「わくわくの…冒険…!」
新藤は昔やってたRPGゲームを思い出す。
「ふふじゃあさっそく飛ばしますよ。ちなみに能力はそちらに合わせているのでご自由にお使いください。」
「はい!」
そして新藤は光に包まれ、新たな世界へ旅立った。
「ここが…剣と魔法の世界。」
わくわくしながら自分の今の姿を見た。
「ん!?」
すると自分の体はとんでもないマッチョだった。
「お、お前さん!?なんじゃその肉体美は!?」
「キャーかっこいいですわ!」
「フゴ…これは魔王に匹敵するかもしれんの…。」
するとマッチョのおっさんと可愛い顔から下はマッチョな女性とよぼよぼで杖をついているマッチョな爺さんが出てきた。
「え、剣と魔法の世界は?」
交通事故で死んだけど神が剣と魔法の世界に転生してくれるっていうからそのまま乗ったらマッチョの国だった件について
「すまん。あっちの神に撤回出来なかったからそのまま送った。」
「あんた何てこと…。」
こうしてデルリアは転生場面の見学は終わった。
「さて、どうだったからしら?スピルバーグ君。」
「マルボーロです。そこまでの存在にはなってないです。そうですね。」
デルリアは笑って答えた。
「意外と適当でいいんですね。」
新人はレベルアップしなかった。