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サボリーマン珍太郎   作者: ケリーバーン
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第8話 ヤツの名はムノさん

サボリーマンである為には、最低限をやらないといけない。


首になってしまったり、社内規定に引っかかり、面倒事になってしまうと、

職を失い、最悪、今日の生活を守れなくなってしまうかもしれないリスクもあるからだ。


その一環として、今日のメールチェックを行う中、

珍太郎がムノさんと呼んでいる野村課長からのメールがあった。


「野村廃棄工場」

いつしかそう呼ばれるようになった珍太郎の課は、

問題のある社員が来る組織である事に加えて、ムノさんの性格、業務態度によるところも大きかった。


ムノさんは一言でいうと、ダメ上司の典型であった、

部下に仕事を丸投げし、物事を把握していない、

さらに仕事の責任は取らない、時に重箱の隅を付き、えらそうな人間教育とやらを始める。

野村という名前もあり、みんなが影でひっくり返してムノさんと呼ぶようになっていた。

ちなみに初老の男性であった。


そもそも珍太郎達のようなサボリーマンの性格を考えれば、

悪循環していく事は避けられないのは自明の理であるのだ。


「面談」

それだけがアウトルック上に表示されていた。

一応ダブルクリックしておくと、何も表示されていない。


何のための面談なのかもよくわからない上に、用意しておく資料等もわからない。


仕方ないので、二日酔いの体に鞭を打って、ムノさんの机に行くと、

ヤフーのトップ画像が表示されたまま、口を開けている彼がいた。


「野村課長、お疲れ様です。

本日10時からの面談についてですが、このまえ社内報に出てた、

成長スキルアップ面談の事でしょうか。

何か資料等用意した方がよいですか?」


「んあ、面談、、うーん、なんだっけ」


「成長スキルアップ面談の事だと思います。」


「ん?あれね。俺もよくわからないんだよね、

部長がさ、やれっていうんだよ、、うーん、やってもさ、

どうせ部長の意思でひっくりかえっちゃうんだし、、」


その後、延々と部長についての愚痴が続いた後、ムノさんが言った。


「もうちょっと早く言ってくれないと、俺わかんないじゃん!」


YOSHIKIだったら、血祭に上げている頃だろう。

珍太郎はぐっとこらえた。

二日酔いの吐き気をこらえるのにも必死だった。


気づけば、そのまま面談に突入した。

9時からの一時間は、無駄という一言と共に、過ぎ去ってしまっていたからだ。


「とにかくさ、部長に怒られないようにさ、

やっていきたいんだよ、俺は!」

ノムさんのような見た目なのに、声はピーピーと高い、

よく部長に説教されているのだが、その時は縮こまった小動物のようになってしまう。


面談も滞りなく終わりそうなとき、珍太郎は口を滑らせた。


「そもそもやりたくてやってるわけじゃないんですけどね、、」

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