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サボリーマン珍太郎   作者: ケリーバーン
34/53

第33話 Too Old to Rock 'N' Roll Too Young to Die

星野さんの死があったという事で、珍太郎の新年はいつも以上に浮ついたまま、

早くも1月も月半ばとなってしまったようだ。


しかし、サボリーマンといえど、珍太郎は人生を諦めるほどに老いてはいないのであった。


「ロックをやるにゃ年を取りすぎたが、死ぬには早すぎるぜ。」


珍太郎は意味もなく、そのような言葉をつぶやく。


古いイギリスのロックだが、ジェスロタルというバンドがある。

古き良きブルースロックの上に、老人のような風情の男が片足立ちでフルートを吹いているという

摩訶不思議なバンドだ。

さらにメンバーはそろいもそろい、乞食のような連中ばかり。

そんなイメージ通りの男くさいブルースやハードロックの部分も強く、

そこはもちろん、正統派でカッコいい。

しかしながら、ブリティッシュフォークやクラシックの音楽に基づいた美しさ、

時折醸し出す切なさが、このバンドの良いところと珍太郎は思っている。


特にこの表題の曲はタイトルからして人生に問いかける鬼気迫った何かと、

ジェスロタルの美しい部分が集約されたようなサウンドで、珍太郎の心を完全に捉えていたのであった。


その問いかけはまさに珍太郎にとって、鬼気迫るもの。

そう、やはり死ぬには早すぎる、何か花火を打ち上げてやりたいのだ。


大船酒場で珍太郎は熱く語っていた。

相手は栗原さんとMDだ。


珍しい組み合わせの理由は、本来シェリーから提案のあった「Without A Melody」のお披露目会が、

シェリーの会社トラブルで流れざるを得なかったからだ。


騒ぎまくり、何度も紅葉に電話をかけていたMDは、

この話を話半分で聞いていたのだが、ふとこんな事をつぶやくのであった。


「珍太郎、人生100年時代だぜ。

ロックやるには若すぎるぜ!俺たち!」


そうジェスロタルの時代、ロッカー達は過度なドラック接種等で、

早死が美学であった。

ロッカーは年の取り方をわからない。そういう時代だったのだ。


だが、今はRolling Stones、そしてジェスロタルだって現役なのだ。


今年は思い切っていこうじゃぁないか。


珍太郎は納得して、ホッピーの焼酎を足すのであった。

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