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サボリーマン珍太郎   作者: ケリーバーン
24/53

第23話 想いをのせて

一方、珍太郎の着想はシェリーを通して、NO RULEのメンバーに瞬く間に伝わっていった。

ジュエルはメロディーというテーマに基づき、歌詞を書き換え、そしてシェリーは楽曲を作り上げていった。


「8ビートはただ単に刻みを入れるだけでは淡白だ。

メロディーを生かしながら、休むところを与えてあげる。

そのためのオブリガード。

できるならば、ギターだけでも歌えるラインがいい。

ドラムはバシバシときめていこう。

息もつかせぬうちにこのメロディーを伝えきるんだ。」


シェリーは必死であった。

この一曲にNO RULEのプライドがかかっている。

そう思って作業を進めていたのだ。


大島さんや珍太郎が彼らから妙な気迫やロック感を感じたのは、無意識的に、こういった負けられないプライドや見栄を察したところにある。


彼らにとって、ロックとは語りきれない傷に化粧をして、俺たちはカッコいいと見栄をはる。

そういったものであったからだ。


それは何かしようともできなかった珍太郎にとってなど、まさに救済でありえたし、ジュエルの言う自浄の作用とまさに同意の事であった。


だからこそシェリーにとって、ジュエルにとって、この曲は次への課題であった。


自浄から救済へ

オナニーからSEXへ

個から集団へ


想いを伝える橋なのだ。


珍太郎はそれをメロディーの橋で表現していく。


珍太郎が書いた光の筋。


それは少しずつ橋へと変わっていった。


大船酒場に行く前の喫茶店、ノートパソコンにスケッチを描いていく。


まだ知らないけれど、あのNO RULEが自信を持って作っている、あの曲。

そして俺が描くこの橋が、どんな未来へつながるのだろうか。


とりあえず地続きなのは大船酒場。


だけど頑張って飲む酒は美味いもんだ。

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