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サボリーマン珍太郎   作者: ケリーバーン
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第16話 やかんホッピー

歌舞伎町の笑笑では終わりのない乱痴気騒ぎが続いていた。


ラスティネイルを大声で歌うMDと、コーラスをしながら走り回るシェリーと紅葉。


「ノメーー!!」


気づけば珍太郎の前にもメガハイボールが数杯提供されており、勢いのままにアルコールを消化することしかできない状況にあった。


マイクを持ったまま隣の個室に乱入しようとMDが走り出した。

ガタイの良い男が仁王立ちになって叫んだ。


「MD!やめろ!」


「うっせえー!パンサー!

ロックするぜ!ロック!」


そのとき、シェリーと紅葉も雪崩れ込み、彼らは隣の部屋に向かっていった。


このような異様な状況にもかかわらず、取り巻きの多くはしれっとした顔でハイボールなどを嗜んでいた。


「栗原さん、あいつらっていつもああなんですかね」


珍太郎はちょっと引きながら聞いた。


「そうだね、大体あんな感じ。

でも俺からすれば一秀の方がやばいよ」


「一秀?」


「あいつだよ」


栗原さんが指差した先には、異様に静かな空間があった。


美味そうにホッピーを飲んでいる男の周りでは酩酊した大島さんと幾人かがくたってしまっていた。


「名物のやかんホッピーだよ」


「やかんホッピー?」


「後先構わず、ホッピーの中を頼みまくる技で、

それを一晩中も続けるものだから、恐れをこめて、やかんホッピーと呼ばれるようになったんだよ。

もともと俺の古い友達なんだが、紅葉と気が合っちゃってね。


たぶん今日のMDと紅葉の凶暴化もやかんホッピーが原因だよ。


そしてあいつらはいくら一秀に飲まされてやらかしても、反省する事がないんだ」


「なに、俺の話してるの?

飲み足りないんじゃあないの?」


一秀はやかんからジョッキ一杯に焼酎を注ぎ込むと栗原さんと珍太郎の前に突き出した。


「しろ、くろどっちにする?」


「しろ」


日頃のクセからついつい反応してしまった珍太郎。


「よし、朝まで行きますか?」


筆者の思うところ、朝までどころか珍太郎は30分で酩酊してしまうと思われる。


どうする珍太郎?


そして隣の部屋に乱入していったMDの運命は?


地獄の宴会はまだ始まったばかりである

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