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徒然枕物語 肆  作者: 緋和皐月
9/16

アイス

 如何にも体に悪そうな、人工的な甘さ。

 ひやりと舌を冷やして、とろりと蕩ける。

 甘い甘い、甘ったるいとも呼べるような、砂糖の味。


 べき。


 変な音を立てて、アイスの棒が折れた。


「……ちっ、またハズレかよ」


 溜息ついて、ゴミ箱に向かって棒を投げる。

 ゴミ箱のふちに当たって、棒は、地面に落ちた。


「おいおいおいおい! ちゃんと捨てろよ! ったく、お前はいーかげんだなぁ!」


 なんか喚いている奴がいる。


「なんだ、オッサン」

「オッサンって酷くない?! まだ25も行ってないんだけど、俺?!」

「知るかジジイ」

「俺、お前と同い年だよねぇ?!」


 はぁ、と溜息つく。


「仕方ねぇ、柑橘系のアイス食べたいから、奢られてやるよ」

「え待って、どの辺が仕方ないなの? 俺、お前にアイス奢るよー、とか言ってないんだけど」

「奢ってやるよって顔してるじゃねーか」

「どういう顔?!」


 てか、それって顔で伝わるもんなのかよ、と喚く。

 結局奢ってくれるくせして。


「お前って、甘いよな」

「ま、彼女に優しい彼氏ですから?」

「うっぜ」

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