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徒然枕物語 肆  作者: 緋和皐月
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甘い毒

 消えたい。


 死にたい。


 何度、何度、思ったことだろう。



 いつもいつも、怒鳴られて

 怒られて、怒られて、怒られて。

 それだけなら、それだけ続くなら、まだ良いのに。

 あなたたちは、私に甘い毒を与えた。



「好きだよ」

「愛してるわ」

「あなただけだよ」


 この(ことば)は、私の心を、私の身体を、ずっと、回った。

 回って、回って、回って。

 今までされたことを忘れるほど、それは甘くて、素敵だった。


 好きだと言われるのが、

 愛してると囁かれるのが、

 とても、とても嬉しかった。

 だから、だから私は、頑張って、人並みに、頑張ったのに。

 一生懸命、追いついたのに。

 あなたは、また私に怒るんだね。

「叱る」んじゃなくて、「怒る」んだね。


 傷ついた私の心の傷に

 甘くて優しい毒で麻酔をかけて

 また、私を傷つけてくるの

 何故?



 そんなの甘えだよって、あなたも言う?

 そうかも、しれない。


 だって、私の身体はすでに、甘い毒が回りきっているんだものね。

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