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甘い毒
消えたい。
死にたい。
何度、何度、思ったことだろう。
いつもいつも、怒鳴られて
怒られて、怒られて、怒られて。
それだけなら、それだけ続くなら、まだ良いのに。
あなたたちは、私に甘い毒を与えた。
「好きだよ」
「愛してるわ」
「あなただけだよ」
この毒は、私の心を、私の身体を、ずっと、回った。
回って、回って、回って。
今までされたことを忘れるほど、それは甘くて、素敵だった。
好きだと言われるのが、
愛してると囁かれるのが、
とても、とても嬉しかった。
だから、だから私は、頑張って、人並みに、頑張ったのに。
一生懸命、追いついたのに。
あなたは、また私に怒るんだね。
「叱る」んじゃなくて、「怒る」んだね。
傷ついた私の心の傷に
甘くて優しい毒で麻酔をかけて
また、私を傷つけてくるの
何故?
そんなの甘えだよって、あなたも言う?
そうかも、しれない。
だって、私の身体はすでに、甘い毒が回りきっているんだものね。