Episode:01-2 彼はアデルさんです。
更新停止してました、ごめんさい…頑張ります、はい。
「そうだね、まずは自己紹介しないとね」
正規の方法で子供が生まれるとして、もしかして私は彼の子供なのだろうか。
若すぎるかもしれないが相手の女性でその可能性は大幅に変わるし、そもそもここは異世界である。
つまり、何でもアリ。
「僕はアデル・クレイオス。しがない魔法使いだよ」
優しげに微笑むアデルさんを前に、私は頭の中を整理しようと奮闘する。
魔法使い…!
魔法=危険なイメージを持つのは私だけなのだろうか。
それとも、日常生活を過ごすのに必要な程度の魔法、とか?
「君の名前はフェーヤ。名付け親は僕だよ、愛称はフィー。可愛いよね」
なんだか甘々な目で私を見るが、それ、自画自賛ですよ?
「あ、アデルさんは、私と、血の繋がりがあるんですか?」
少しドキドキしながら聞いたが、アデルさんはニコリと笑って迷いなく言った。
「ないよ。もちろん、普通は血の繋がった実の両親が子供を育てるわけだけれどね。君は、何故か僕の住むこの森の中に放置されていたんだ」
…それは、笑顔で言うことではないと思います。
「僕はいろいろあって家族と離れて、一人で過ごしていたんだ。自分で選んだことなんだけど、やっぱり一人は寂しくてね。もしかしたら、神様が僕にプレゼントしてくれたのかな、なんて思っていたんだ」
なんかもう、めちゃくちゃで自己中過ぎる考えだけど、あながち間違っていないのかもしれない。
親がいなくて転生しているらしい私が、一人寂しい訳あり男性の元へ届られるなんて、神様にしかできなんいもん。
「あと、君が5年間眠っていた理由なんだけどね」
彼がそう言った時、彼の後ろを何かが横切った、ように見えた。
「最初に言った通り、人は生まれて直ぐに長期間眠ることで魔力を溜めるんだ。魔力があることで魔法の行使が出来るわけだけど…君、魔力がないんだよね」
今のなんだ?というわたしの思考は吹っ飛んだ。
「え?」
「日常生活にも魔法は必要なんだけどね」
「え?わ、私、大丈夫、なんですか…?」
やっぱり、ここの世界の血じゃないということだろうか。身体は前世のモノじゃないけれども。
というよりも、これからどうやって生活すればいいの。
「童謡の一つにね、精霊使い、というものが出てくる」
あ、また何かが動いて…、こっちを見てる?
「精霊使いと呼ばれる彼らには、魔力がないんだ」
あれ、何だろう。
前世で言うなら妖精、みたいな感じだ。
ちっちゃくて、羽が生えている。
「って、魔力がない?」
「うん。今は童謡の中の伝説的存在だけど、古い資料
を見れば実際に存在していたことがわかる」
「私も、その精霊使いってことですか?」
「多分ね。それで、君が5年間眠っていたのは、魔力が蓄積出来ない体質にも関わらず、身体が魔力を溜めようと頑張った結果だと思う」
でも魔力は溜まってないわけだから、無駄な努力に終わったと。
「ええと、精霊使いがかつて存在していたということは、私は生活はできるんですよね?」
けど、昔の話なわけだから可笑しいよね?
なんで私は昔の人と同じなの?異端者だから?
でも身体はこっちの人と同じ…じゃない?
あ、あれ?
考えれば考えるほどよくわかんないんですけど。
「もちろん。それよりもね、魔力のない君が本当に精霊使いだったとして。…精霊、見える?」
ぼーっと、妖精ちゃんを見つめていた頭が覚醒し、真剣な顔の彼と目が合う。
そして、バッと妖精ちゃんを見た。
もしかして、この子、精霊…!!?
私が驚いている中、まるで〝そうだよ〟という風に妖精ちゃんは笑った。
精ちゃんは、可愛い感じでイメージしてくれると嬉しいです。
考えれば考えるほどわからなくなるのは作者も同じ。
計画性がないのが祟りました…。