覚悟・誓い
ふ〜
捨てられた。
放棄された。
憎しみは、増幅。
あそこにいる時は初恋の人に裏切られて、死に至る傷を何回も付けられた。
俺は生まれてこなければ良かった。この頃の俺は心が温かくて、無知だった。
13の頃まで、虐めに耐えてきた。
死に至る傷を幾度も付けられた。
それでも俺は耐えた。
13に転機が訪れた。
同い年の少女に出会った。とても美しい。
一瞬で恋に落ちた。
助けてくれたのも大きい。彼女と俺は、付き合う事になった。
俺は狂喜した。
この頃の俺はバカで疑う事を知らなかった。
彼女との日々は充実していた。
彼女は権力があるから誰も俺を傷つけない。
利用していた部分もあった。
今の俺なら、好きになる事もせず利用し、全てを奪うだろう。
この頃の俺は偽善者だった。
彼女との付き合いも一年になろうとした時、ある人物と出会った。
後にこの人とは、深い関係になる。
優しく、温かくて、全てを包みこんでくれそうな人だった。
この人は、きっと俺を救ってくれる人なんだと思った。
この人がやろうとしてる事も知らずに。
この人の企みも知らずに。俺はこの人になついた。
この頃の俺はどうしようもなかった。
一年後、俺は裏切られた。彼女に。
俺の兄を好きになったというのだ。
今思ってみれば、出会った時からおかしかった。
全ては兄に近づくために俺を利用していた。
絶望した。
だが同時に憎しみもわいてきた。
俺は大好きなあの人の所へ行った。
一年前に出会ったあの人の所へ。
俺は、学んだ。
あの人から吸収した。
生きる術を。
戦う術を。
そして復讐をした。
結果は失敗に終わった。
兄を殺した。
だが彼女は殺せなかった。それに俺を傷つけた奴らも殺せなかった。
そして俺は、被害者面の奴らから殺されかけた。
彼女もその一人。
あの人に助けてもらい、俺は家を追い出された。
16の頃だった。
俺には力が無い。
俺には覚悟が足りない。
俺は、全てを覚悟し、ある誓いを立てた。
そして約束した。
もう一人の俺に。
未来の自分に。
必ずや復讐してやる。
それまでは、死ねない。
絶対に生きる。
プライド、罪悪感、正義感、全て捨ててやる。
俺の全てを懸けてこの世界に復讐してやる。
『今日』の空は、青かった。