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犬であること  作者: こう
3/3

変わった日

次に目を覚ました時、また誰かが話しかけていた。

「大丈夫ですか」

その人が肩を叩いてまた言う。

「聞こえますかー? わかりますか? 」

僕は鳴こうと口を開いた。

「……」

僕は声がでなかった。それは出せなかったのではなく、戸惑ったからだった。いつもと違う。それでも目を開ければ、男の人のホッとした顔が見えた。

「大丈夫ですか? 念のため救急車に乗ってください」

僕はキュウキュウシャが何かわからなかった。でも、いつもピーポーピーポーうるさいクルマが側にあって、それが救急車だと理解した。

男の人が僕を支えながら救急車へ向かう。僕はまたなんとも言えない違和感を覚えた。この男の人はなんて小さいんだろう。

それはすぐに間違いだと気付いた。いつもの河原のはずなのに、全てが小さくみえる。目線も高い。僕が大きくなったんだ。

救急車に近づくと、窓に僕を支えてくれている男の人が、また別の男の人を支えているのが見えた。その人はじっとこっちを見ている。そして僕と同じ動きをする。

僕はそれが妙に怖かった。


救急車に乗ると、僕は寝かせられた。男の人はどこかビョウインを知っているか尋ねる。怖くなり暴れた。男の人が押さえつける。僕はビョウインが大嫌いだ。いつも痛い思いをするんだ。今はご主人様もいないのに我慢できるわけない。僕がもっと激しく暴れると男の人は、他の人にビョウインを探すように言った。そして、救急車が動きだす。僕はビョウインにつくまでずっと押さえつけられていた。

ビョウインにつくと、たくさんの人が走り寄ってくる。そしてまた僕はどこかに運ばれる。


小さな箱に何回も押し込まれて僕はとても怖い思いをした。でも、それが終わると僕はベッドに寝かされた。ご主人様のベッドのようにフカフカではないけれど、僕1人にベッドがもらえるなんて初めてでとても嬉しい。

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