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授業初日、放課後でございます 2

 私はブルスプのテーマソングを聴いてしまい、気分と体調がすこぶる悪くなったので、音芸部から早く脱出したかった。しかし、新入生と音芸部員の交流ということで、唱歌を一緒に歌うという企画が用意されていて、音芸部の見学から脱出することができなかった。

 一緒に歌うのは、「Dona nobis pacem」という歌で、3グループに分かれて一緒に輪唱をするという形式だ。歌詞は、Donaとnobisとpacemの3単語しかない歌だから、簡単に憶えられる。それにしても、見学初日にいきなり楽譜を配って合唱かい! 楽譜読めない生徒がいたらどうするの? なんて思うけれど、貴族の子息令嬢として当然、音楽の教育は学園に入学する前から受けているわけで、楽譜が読めないとかそんな人がいないことが前提である。

 

 最悪なのは、オリヴィア・フロストとゴウィン・ニールと同じパートを歌う2組になってしまったということだ。2組は、あとはチューティアと私だ。ゴウィン・ニールは攻略対象キャラで、オリヴィア・フロストはライバルキャラだし、他にも学生がいるのに、どんなクジ運の悪さだよ、と思う。別に同じパートを歌うだけだったら問題ないのだろうけど、接点はなるべく排除したいというのが私の心境だ。


 「Dona nobis pacem」を3組に別れて歌っているのだが、やはり、ソプラノパートのオリヴィアの声とティノールのゴウィンの声は声量も大きく、声質も良いようだった。指揮をしている先輩が、2組の声量を下げて、バランスを取ろうと必死に指揮をしている。1組から3組まで分かれている先輩達の声量や声質を見ると、均等な配分になるように上手に組み分けされていると思う。やはり、オリヴィア・フロストとゴウィン・ニールの実力が突出しているのだろう。2組にこの2人が入っていることにより、2組のパートの存在感が大きくなりすぎているように思える。オリヴィア・フロストとゴウィン・ニールは、声量もあり、声質もよく、そして上手いというこが素人の私でも分かるのだった。



 輪唱が終わった後、音芸部の見学会は一旦お開きとなった。他のクラブを見学してから、音芸部に見学にくる生徒もいるから、同じような見学会がまた行われるのだろうけどね。そして、なぜか歌のパートの1組と3組が先に出口へと誘導され、2組は最後まで取り残されている。


「君たちを是非、音芸部に歓迎したいよ。君たちの名前を教えて貰えるかい?」と音芸部部長がやって来て言った。おそらく、オリヴィアとゴウィンをヘッドハンティングしたいのだろう。それに巻き込まれた私と

チューティア……。音芸部の先輩たちも貴族なのだから、逸材を見つけたという興奮を抑えればいいのにと思う。私がそう思うのは、ゴウィンとオリヴィアを音芸部に引き込むという先輩達の気合いが見て取れるのだけど、その反面、私とチューティアにはあまり興味がないのが如実に分かるからだ。


「ゴウィン・ニールです」

「オリヴィア・フロストと申します」

「チューティア・リノアルと申しますわ」

「ホリー・ヴァレンティノです」

 

 私達は自己紹介をする運びとなった……。知り合いたくなかったよ、と心の底から思ったのであった。

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