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魔女ノ雫  作者: 秋ーアキー
2/4

続: 序

気長に読んでください

 「ごめんごめん!!」そのとき明るく元気な声が僕の耳に届いた。僕の叔母さんだ。「なにやってたんですか?」叔母さんは胸の前で両手を合わせた「ホントにごめん、昼寝してたら寝過ごしちゃって・・・」僕はそれを聞いて呆れたように「僕が今日来るって事知ってたんですよね、なのに寝ていたなんてずいぶん呑気ですね、バカですか?」僕は時間に厳しいことを知っているはずなのに。

 「相変わらずね冬馬、かわいげがない」「失礼ですね、かわいげならまだ健在です」「その言い方がかわいくないって言うのよ!」面倒くさい。「あなたも相変わらず無駄に元気ですね、ガサツと言われないんですか?叔母さん」嫌味をたっぷり込めて言った。「なっ!失礼ね!みんなからは癒しのお姉さん藤村理子ってよばれてるのよ~」「どこに癒しがあるんですか?」ガミガミとつったかりそうな叔母を無視し、僕は荷物を持って村の中へスタスタと歩いていった。

 「ちょっと!!待ちなさい!」後ろから声が聞こえる、そういえばさっきの少女はどこに行ったのだろうか

 「叔母さん、さっきここに来たとき女の子を見ませんでしたか?」「私のことは『お姉さん』って呼びなさいと言ってるでしょう!!」「はあ・・、理子姉さん、さっき女の子をみませんでしたか?」「?見てないわよ」首を傾げて不思議そうな顔をする理子姉、本当に見ていないらしい。「その子がどうかしたの?」「いえ、なんでもないです」

 まあいいけど、どうせもう会うこともないだろう。そんなことより早く休息を取りたいのが本音である、ここへ来る間少しも気が休めなかったからね。「早く寝たい・・・」言葉が自然と口からこぼれた。

 僕の母の実家は旅館を経営している、だから部屋には困らないと思っていた、ええ、思っていましたとも。実際、部屋はある。問題はこの部屋がとてつもなく少女趣味の部屋だったからだ。

 「なにこれ」僕はもうどう反応すればいいのかがわからない、「えーと、気に入った?」明らかに気に入ってないとわかってて聞いてるだろう「理子姉、これは嫌がらせですか?」「いやあ、はは・・・」冷や汗を浮かべながら苦笑いをする理子姉を殺気のこもった目で睨む。ちゃんと普通の部屋にしろと言ったはずだ

「ごめん、たぶん従業員が間違えたんだと思うわ」

「誰ですかその従業員は、少し話し合いが必要ですね」

「話し合いと言いながらナイフをとりだすのはやめてくれない」

「いやですね~、ただちょっと話がしたいだけですよ、じっくりとその体でね」

「と、冬馬っ!そのものすごい爽やか笑顔が逆に怖いわ!」

理子姉が涙目になり「だ、大丈夫だよ!今夜は私の部屋を使えばいいんだわ、細かいことはまた明日にでも、ね?」 

理子姉の部屋?「いやですよ、僕は客室で寝ることにします。っていうか最初からそうすればよかったんじゃないですか?」わざわざ昔母さんが使っていた部屋を使わなくたって、「それともほかに部屋はないんですか、旅館なのに?」

 「うん、それは私の説明不足ね、ちょっと来て」理子姉について別館へ行くと、どうして部屋が不足しているのかがわかった。「改装しているんですか?」「そうなの、でもゴールデンウェイクだから今日はやってないわ」

 この家はとても広く、旅館として使うのも十分すぎるほどに広い。別館は完全に客室だけで統一している、だからひとつ部屋を使っても大丈夫だと思っていたが、まさか改装中だったとはね。

「だから部屋はないのよ」

「母さんの部屋と理子姉の部屋だけですか、ほかに部屋はないんですか?」

「あったらとっくに案内してるわよ」

「でも、客室は別館だけじゃなかったと思いますけど」

「たしかに本館の方は少しあるけれど、それはお客さん用のだから」

「え、お客さん?」

「うん、明日来るから部屋を取ったの」

「そうですか、なら仕方ありませんね、リビングで寝ます」

「ちょっ!私の部屋でいいのに」

「すみませんが、あの趣味の悪い部屋もあなたの部屋もご遠量します」

「どうしてよ、あ!もしかして恥ずかしいの、かわいいところもあるじゃん!」

「はあ?なに言ってるんですか、あなたと一緒に寝たら寝不足でクマができるに決まっています。自分の寝相の悪さに少しは気がついてください」「なっ!それが年上に対する態度?!少しは年上を敬いなさい!」「年上らしいくしたことなんてありましたっけ、もう少し年上らしくなったら言ってください」そう言った途端、理子姉は静かになった。「もう、また冬馬に言い負かされた」「事実を言ったまでです」「うう・・・」さっきからずっとうつむいているが、泣いてるのかな。「冬馬のバカーーっ!大っ嫌い!!」と走り去っていった、廊下から「バーカバーカ!」といまだ小学生のようなことを言っている。僕に図星を突かれるといつもバカとしか言い返せない理子姉を見て、本当に子供っぽい人だと思った。「はあ・・・」知ってか知らずか僕は大きなため息をついた。 

 (今日は彼女の好きなものでも作ろうか)、結局僕はその趣味の悪い部屋で一晩過ごすこととなった。

亀更新です^^できるだけ早く更新します


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