表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/49

学園祭三日目・中編〈予選〉

『それでは、龍騎士学園最終日最後のプログラムにして最大のイベント、“八岐大蛇決定戦”を開戦いたします!実況は、昨日に引き続き私、唄川音色がお送りいたします!』


会場は朝から熱気に包まれていた

生徒達はもちろん、一般の観客も皆興奮した面持ちで舞台を見つめている

舞台にはまだ誰もいないが、数分後には手に汗握る戦いが繰り広げられるだろう


『今年も参加者が沢山いますね!なので、例年通り予選を行います。60組をA~Fのブロックに分け、それぞれのブロックから3組だけがトーナメント出場権が与えられます!』


音色の声と供に舞台にスクリーンが表れ、ブロック毎の出場者を表示する

同時に学年とクラスも表示され、それぞれの学年やクラスから歓声があがる


『予選のルールは至って簡単!ガチンコ・バトルロワイヤルですっ!そして、それぞれのペア代表が着けている腕章を2つ奪ったらトーナメント出場決定です!』


A~Fの文字が書かれたサークルが表れ、そこに出場者である生徒達が入場してくる

それぞれが自らの武器を構え、スタートの合図を今か今かと待っている


『さて、説明はこの辺で……。八岐大蛇予選、始めっ!』


戦いの火蓋が、切って落とされた




霖華と大和はCブロックにいた

バトルロイヤル形式のため囲まれているが、二人は余裕の表情だった

多方向から攻撃が来るが、意に介した風もなくかわす


「くっそ!何で当たらねーんだよ !?」


一人の男子生徒が毒づくと、接近していた霖華が背後からヌンチャクを降り下ろす


「なっ…あ、いつの間に !?」


気づいた時はもう遅く、無慈悲な音をたてて男子生徒に直撃した

骨の1、2本が折れてもおかしくはないだろう


「油断大敵、ですわ」


霖華は男子生徒の腕から腕章を剥ぎ取り、次の獲物を狙い始めた

その視線の向こうでは、大和がすでに敵を屍っていた




寒菜はDブロックで、少々苦戦していた

周りは高等部の生徒が多く、やはり中等部である寒菜は不利な状況だった

しかし、寒菜の顔は余裕の笑顔だった

治癒系の龍使いなので怪我や疲労は殆ど無く

また、鬼龍家の娘なので《Dエネルギー》量も莫大だった

そしてもう一つ、寒菜を余裕たらしめている理由があった

それは―――


「おい寒菜!お前余所見すんなよ!」


「分かってるよぅ!雷太もね!」


寒菜のパートナーである、雷太こと葛木雷太の存在だった

かれは雷属性の龍使いで、敵を麻痺させて戦いを有利に運んでいた




「さ、て、と!」


美斬は、満面の笑みを浮かべながらステージに立っていた

そこには、『Fブロック』と表記されていた

涼悟は、傍らで苦笑いしている

そんな二人の周囲は、殺気で満ち満ちている

各々が武器を振りかぶり、刃をぎらつかせている


「みんな纏めて、やっちゃおうか」


「……マジか?」


美斬はうんうん!とうなずき、準備のために構えた

炎花が、美斬の周りを激しく動き回る

美斬の細剣に、膨大な《Dエネルギー》と炎が集まり、収束する

涼悟は、“炎壁”を展開して衝撃に備えた


『かかれぇ~!!!!』


地響きをたてて生徒達が迫ってくる

しかし、それと同時に美斬が剣を薙いだ

その瞬間、剣に閉じ込められていたエネルギーは一気に解放され、爆発した


「“炎剣・解爆”」


「ちょっとやりすぎじゃねーか?」


美斬が得意げに呟く

周りには、煤だらけの生徒達が転がっていた

まあ、水属性の者は無事だが

涼悟は溜め息をつくと、腕章を剥ぎ取った

なにはともあれ、予選突破である





続く…

まさかの四部構成……

ごめんなさい、精進します


お知らせ

外伝、予定より早く投稿するかもしれません

本編が遅いので…orz

リクエスト、お待ちしてますっ!

なんでもかまいませんよ~


六月五日〉加筆修正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ