学園祭一日目・前編
学園祭当日―――
『えー全校生徒の皆さん、本日は晴天!きっと皆さんの日頃の行いが良かったんですね!それでは、そろそろお客様も来るので…………、今日から三日間、楽しんでいきましょう!龍騎士学園学園祭、開催いたします !!!!』
生徒会長である唄川音色の声で、龍騎士学園学園祭が開催された
因みに、彼女はマイクを使っていない
何故ならば、彼女は『音』属性の龍使いだから、必要ないのだ
2年A組―――
「よっしゃあ!ウチも開店するでぇ !!」
『ちょっと待ったぁ !!!!』
このクラスの実行委員である茉理葛葉が開店の号令を掛けると同時に女子全員が待ったをかけた
「…なんで?」
「なんで?じゃないでしょ !? こ、こ、この衣装はなんなのよ !?」
茉理が疑問の声をあげると、女子代表の水無月癒亜が自分が着ている衣装を指差し、叫んだ
「なにって…犬耳メイド服、やね」
「だから!なんで!コスプレ喫茶になったのよ !?」
そう、癒亜が述べた通り、女子は全員コスプレしている
メイド、巫女、セーラー服、着物など、どっから集めたんだと思うくらい多種多様である
「それは、俺が意見を出し、誰も反対しなかったからだ」
「その人の神経を逆撫でするような声………坂元鉄也ね」
「いかにも」
癒亜曰く、人の神経を逆撫でするような声の持ち主、坂元鉄也が謎めいたポーズをとりながら現れた
説明は面倒なので省くとここに明記しておこう
「何故そのような意見を出したのかと言いたそうな顔をしているね。理由は至極単純さ………女子のコスプレ姿を見たい、ただそれだけグボァッ !?」
鉄也が言い切る前に後方回し蹴りが顔面に直撃した
「茉理!なんでこの変態の言うことなんて聞くのよ!」
「あはは、面白そうやったし。他に意見もなかったしなぁ」
「うう…、あの日翔兵が胃腸炎になんかならなければ…」
「まあまあ、そんなこと言わんと。あ、もう開店せんとねぇ。皆配置についとき!あれ?みっさんは?」
「棚の後ろでうずくまってる」
みっさん――――火刀美斬は、布を被ってうずくまっていた
「ほれみっさん、もう配置につかんとお客さん来るで?布なんか被っとらんと、衣装見せてえな」
「あ、え…や、だめっ!」
美斬の制止の声を無視し、茉理は布を剥ぎ取った
そこに現れたのは
頭には白い兎耳のカチューシャ
黒のぴったりとしたレオタード
細い脚を覆う編みタイツ
要するに、バニーガールである
その姿を見た一部男子は写真を撮ろうとしたが、何者かによってカメラを破壊された
「ヒュウッ!ええなぁみっさん。ウチのNo.1やね!」
「別になりたくない!お願いだから衣装替えて~ !!!!」
「アカンアカン!みっさんと涼さんには看板持って宣伝してもらうんやから」
「はあ !?」
美斬の嘆願を一刀両断したうえに、涼さん……つまり、鬼龍涼悟と共に宣伝係にした
因みに、涼悟は燕尾服…要するに執事である
「さて、もう開店するでぇ!みっさんと涼さんは看板持って!ゆーさんはお盆持って!霖さんも!」
「もう…。こうなったら、絶対校内1位になってやる」
癒亜は黒いオーラ全開で、お盆を握り潰さんが勢いで握っている
「癒亜さん、笑顔でいないとお客様が来ませんわよ?」
霖華は、かなり際どい位置からスリットが入っているチャイナドレスを着ている
「癒亜!他の男にセクハラされたら言えよ!俺がブッ殺してやる!」
「………」
男子は殆どが裏方なので、翔兵と大和はジャージ姿である
癒亜と美斬は羨ましそうにその姿を見ていた
「それじゃ、A組喫茶店………開店 !!!!」
『オオオ !!!!!!』
『……』
続く…
やっと学園祭に突入!
お店の内容に悩みぬき、結局コスプレ喫茶にしました
癒亜、ごめんね!
さて、次回は校内の様子を映していきましょう
次回もお楽しみに!