生徒会室
生徒会室―――
コンコンッ
「失礼しまーす」
「失礼します」
涼悟と美斬が扉をノックして中に入ると、生徒会メンバー通称八岐大蛇がそれぞれの席につき、それぞれの職務をこなしていた
「ねーさん、こんにちは!」
「お、みきりん!おひさー♪」
美斬が笑顔でねーさんこと唄川音色を呼ぶと、あちらも美斬を愛称で呼び、抱きついた
どうやら二人は旧知の仲らしい
「おい美斬、先輩をあだ名で呼ぶなって何回言ったらわかるんだ」
「あは、ごめん。忘れてた♪」
「いーのいーの、みきりんは可愛いから許す!」
美斬は特に悪びれることなく、音色と談笑し始めた
「それにしてもみきりん……大きくなったね~♪」
「にゃっ !? ど、どこ触ってんのー !? //////」
「うん、素晴らしい揉み心地だね、涼悟君。羨ましいよー」
「何故俺に話を振る !?」
…訂正、いじられ始めた
生徒会メンバーはそれを止めるでもなく、苦笑いやニヤニヤ、というそれぞれ違う表情を浮かべながら眺めていた
「お願いだから止めてーーーー!?///ちょ、やあぁ !!!!!!//////」
「それで?今日はどうしたの……って、アレか」
「はい。決定戦出場の申し込みに来ました」
5分ほど経って満足したのか、音色は美斬を放し用件を聞いた
美斬はぐったりとソファーにもたれている
涼悟はやっと本題に入れたことに苦笑いしながら用件を伝えた
「お、やっぱり出場するんだ!でも、みきりんめんどくさがらなかった?」
「賞品があること言ったら、もう、一発でしたよ。逆に俺が引きずられてここに来ましたし」
「そっかそっかー。まあ、頑張ってね♪」
そう言うと、音色は書記である峰川ひよりと松平悠也の座っている机に行った
「悠く~ん、ひよ~、また参加者だよー。2年A組の鬼龍涼悟と火刀美斬ね」
「あ、A組の生徒ですか、了解でーす」
「これは期待できますね、A組ですし」
何故A組が期待できるか、それはこの学園のシステムに起因する
学園は基本的に実力主義で、頭が多少悪くても多めに見てくれるが、戦いにおいて弱い・役に立たない場合、容赦なく退学が決定する
その為、学年順位別にクラスが分けられる
成績が優秀であればAクラスだし、悪ければFクラスになる
要するに、A級のAという訳だ
「よっし、手続き完了!武運を祈るよ、みきりん、涼悟君」
『はい!』
音色が手続きの終了を告げ、二人に励ましの言葉をかけると、美斬は勝ち気な笑みを涼悟は真剣な顔で応えた
その姿を生徒会メンバーは嬉しそうに眺めていた
~おまけ~
「じゃあ、私達そろそろ戻るね」
二人が生徒会室に来てから30分がたったので、美斬は席を立ち、音色に告げた
「えーーー…、あ、もう16時だもんねぇ。またね、みきりん」
「うん、またね」
『失礼しましたー』
美斬と涼悟は仲良く手を繋ぎ、生徒会室を出た
「そーれにしても、ホントに婚約してたんだね」
音色がポツリと呟くと、他の生徒会メンバーが驚いた顔をして振り向いた
「え?知らないの?」
「知りません(よ) !!!!」
「えぇー、皆知ってると思ってた。ふぅん…」
「たぶん、御三家と分家の間でしか情報が回ってないんじやないか?」
音色のパートナーの徹が意見を言うと、皆が納得したように頷いた
「でもさー、それじゃあみきりんまた『告白大会』でコクられちゃうじゃん」
音色が不満そうに言った
そう、美斬は毎年告白大会で何十人…いや、何百人もの男子にコクられでいる
無論、全て断ったが
するっ、副会長の霧先澪が何か思いついたように手を打ち、音色に駆け寄った
「ねーさん、お耳を拝借」
「え、うん。……うん、うん。…………?……あ、なるほど……ふんふん、…ほうほう!」
音色は、最初は訝しげな表情で澪の話を聞いていたが、話が終わる頃にはニヤニヤして相づちをうっていた
「いけるね、よし、その方向で進めて !!」
「了解であります!」
澪は敬礼をして自分の席に戻ると、何かを書き始めた
徹は、そんな二人の様子を見て苦笑いし、美斬と涼悟に心のなかで合掌した
かくして、どういう訳か涼悟が告白大会に出場する事が決定した
続く…
………………………(死)
涼悟「開始早々死ぬな。何なんだよ?」
美斬「やっと期末試験終わったんだってー」
涼悟「あっそ」
美斬「まあ、魅沙祈のことは置いといて。お久しぶりです。今回は八岐大蛇決定戦の出場手続き&ねーさんとの絡みでした」
涼悟「絡みというか、絡まれたというか…」
美斬「さらに、珍しくおまけまでついてましたねー」
涼悟「…嫌な予感がする………」
美斬「へ?まあ、次回でわかるでしょう。それでは次回も…」
涼悟・美斬『お楽しみに!』