二人の夜と蠢く影
涼悟視点
はあ、疲れた…
あの後、口止め料として人数分のアイスを買いに行かされたり、稽古の相手したり、夏休みの宿題手伝わされたり…
「本当に疲れた…。」
「あはは、大丈夫?」
俺と美斬は今、俺の部屋にいる
もう夜中の11時だが、何故か目が冴えているので、談笑している
「ったく、何で宿題まで手伝わされなきゃならないんだよ!」
「まあまあ、ついでに私達の宿題も終わったからちょうどよかったじゃん。」
「それにしても、割に合わねーよ。………お、良いこと思いついた。」
そう呟くと、涼悟は美斬を抱きよせた
「わぁっ !?」
美斬はバランスを崩して、涼悟に倒れかかった
「ちょ、涼!なんなの !?」
「なあ美斬、頑張った俺に御褒美くれないか?」
「御褒美?何を?」
「聡明な美斬さんなら分かると思ったんだがな。…じゃあ、これで分かるか?」
涼悟は美斬の頬に手を添え、顔を近づけた
美斬はそれで全てを理解し、顔を真っ赤にした
「ぅ、ぇ、…も、もぅ……、しょうがないなぁ…ん…。//////」
「ん…、んぅ、ちゅる……。」
美斬は唇を重ねるだけのキスをしたが、涼悟は離れようとする美斬を更に引き寄せ、舌を絡めた
「んっ !? …ふ、んん……ちゅる、ふぁ……ん、……ぷはっ !!!! //////」
「ん、ちゅ…んぅ……ふぅ。」
涼悟は、御褒美に満足したのか、美斬を抱きしめながら布団に転がった
「もぉ… !! そろそろ寝るから離してよ !! ///」
「じゅーでんちゅー…。」
「むぅ…!///…あ、そういえば。ねぇ、涼。」
「なんだ?」
美斬は先程まで顔を真っ赤にしながら怒っていた が、何かを思い出したのか涼悟に話しかけた
「今日のお昼に明菜さんが言ってたんだけどね。明日、夏祭りがあるんだって。」
「夏祭りか…、久しぶりだな。一緒に行くか?」
「え、いいの !?」
「どうせ暇だし、せっかく北海道まで来たんだから、なんか思い出作ろうぜ。」
「うん!」
「じゃ、浴衣とか探さなきゃならんからもう寝るか…。」
「そうだね。おやすみ、涼。」
「ああ。」
こうして、二人は眠りについた
そのころ――――
ここは、北海道のどこか
そこは地下らしく、窓が無く薄暗い
部屋には巨大な水槽がいくつもあり、まん中の水槽の前に一人の男が立っていた
まん中の水槽には何かが浮かんでいるが、他の水槽は空っぽだった
「…なるほど。そうか。………ふむ。」
男は、目の前にある水槽の中にあるモノを見ては何かを呟き、紙に書き記している
水槽の中のモノは、時おり苦し気に呻いている
「ふふ、なかなか良いデータを採れた。あとは、このデータを東京に送ればいいな。さあて、そろそろここも片付けないとな。御三家にバレたら大変だ。」
男はそう言うと、携帯を取りだし部下に指示を出した
すると、奥から何人かの男たちが現れ、作業をし始めた
「主任、実験体はいかがいたしましょうか。」
「ああ、そうだな。もう《魔人》のデータは充分だし、どうせ死んじゃうだろうから捨てちゃっていいよ。」
「了解しました。」
男たちは、水槽から一人の少女を取り出し、奥に消えて行った
続く…
はい、今回も甘めです
頑張ってみました
お気に召せば幸いです!
そして、裏で蠢く影…
次回は夏祭りです!
新キャラが登場します!
お楽しみに !!