証
時間がたち美斬が落ち着くと、明菜と涼悟がやって来た
「お茶をお持ちしましたわ。」
「あ、ありがとうございます。」
「美斬、大丈夫か?」
「うん。冷路さん、とっても良い人だね。」
美斬はそう言い、微笑んだ
「父さん、美斬の事は…。」
「ああ、鬼龍家の人間は殆ど知っている。」
『え !? 』
冷路の言葉に涼悟と美斬は驚いた
「だったら、何で俺には教えてくれなかったんだよ!」
「その時、お前はまだ小さかった。だから教える必要は無いと判断した。」
冷路が美斬の事を知ったのは二人が3才の時
なので、冷路は涼悟に教える事はしなかった
すると、明菜が美斬を見て聞いた
「でも…、美斬さんは本当に《魔物》とのハーフなの?見た目は、そんな風に見えないけど…。」
「…私は本当に《魔物》とのハーフです。その証拠に…。」
そう言い、美斬は右目の眼帯を外した
それを見た明菜は驚き、冷路は悲しげな顔をした
「それに、私にはもう一つ“証”があるんです。」
『“証”?』
そう皆が聞くと、美斬は自分の右太ももを見せた
そこには、黒いタトゥーのようなものがあった
「これが、私が人間ではない“証”です。」
「刺青ではないのか…?」
冷路が聞くと美斬は首を横に振った
「違います。これは、私が生まれた時からあったそうです。」
“証”は、美斬が生まれた時からあった
最初はアザのようだったが、成長と共に黒いタトゥーのような形になった
「そうか、失礼な事を聞いてすまない。」
「いえ、大丈夫です。」
「ここまで来るのに疲れただろう。長い間話しをしてしまって悪かったな、部屋で休みたまえ。明菜、案内しなさい。」
『はい。』
冷路が言うと、涼悟と美斬は部屋に行った
「ここですよ。」
明菜が案内した部屋、それは…
「ここ…俺の部屋じゃねーか !?」
「ごめんなさいね。実は、他にも分家の方々が来るのよ。だから、空き部屋が無くて…。」
「あ、大丈夫ですよ。いつも一緒ですし。」
「助かるわ。お昼ご飯まで時間があるから、好きにしてて。」
明菜はそう言い、奥に行った
「あ~、やっぱ北海道は涼しいね!」
「冬は寒いけどな。」
二人は話しながら荷物を整理していた
「そういえば、炎花と炎牙は?」
「ん?ああ。なんか、寒菜がどっかに引っ張って行ったぞ。」
「ふぅん。…ねぇ、お昼までの時間、どうする?なんかする?」
「そうだな…。でもこの家、なんも無いんだよな~。」
そう言いながら、涼悟は押し入れの中を探し始めた
すると
「お、ちっちゃい時の袴だ。懐かしいな。」
「剣道やってたの?」
「ああ、下手だったけどな。母屋に来る途中、もう一つ建物があっただろ?あれ、道場なんだよ。」
そう、涼悟は小さい頃剣道(剣術)をやっていたが、刀の扱いが苦手だったから両手剣に変えたのだ
「ああ、あの建物ね。へぇ…。あ、ねぇ。道場あるなら竹刀とか木刀もあるんだよね!」
「ああ、防具もあるぞ。」
すると、美斬は勢いよく立ち上がった
「じゃあさ、手合わせしよう !!」
続く…
あれぇ…?
今回手合わせの予定だったのに…
涼悟「お前、文章まとめるの下手。」
美斬「“証”の説明が長いんだよ。」
おっしゃる通りで…
次回こそ !! 手合わせになります !!
次回もお楽しみに!!